第6章 競馬狂の詩 6
「俺は殺人者だ。行方をくらませ裏街道を歩き、人目を避けて生きるしかない。投資馬券が唯一の生活の糧だ。共犯者優香とのあらたなるサバイバルの日々を綴ってゆく」
(1) 親父の狂言 その6
「なあに。誰にでもできる簡単なお仕事さ」
そう言うと、岩元鉄三郎は見る見る怖気づいていた。
「いやぁ、あの。そ、そんなこと急に言われたってよう。こんなジジイに何が出来るっていうんだよ」
「あんたそう言いながら、ルージュの支払いを踏み倒すは、救急車をタクシー代わりにするは、しかも最近噂のあの怪しげな馬券道場の被害者を装ってさ。なかなか素人に出来ることじゃないと思うぜ」
「そりゃ……まあよ。俺っちはよ。昔から役者魂が体に宿ってるからよ」
「ふーん、なるほどね。だったら適任だ。なんと言ってもあの馬券道場とやらのやり口をようく解ってんだろう?」
「ぐッ。そう言われりゃあな。くッそ。ぐうの音も出ねえな」
岩元は口をへの字に曲げて分厚い下唇を突き出した。
「だからさ、あそこにちょっと入り込んで探ってくれないかな。ほんの少しあそこの情報をこっちに流してくれればいいから」
「ひええ……俺にスパイをやれってのか? こ、殺されぅ」
「大丈夫だって。俺とここにいるウサミが、ちゃあんとあんたを守るから。それに、いざとなったらすぐに逃げ出してもいいから」
「どうやって逃げるっていうんだよ。あそこはヤバいほど警備が厳重なんだぞ」
俺は鉄三郎をぎろりと睨んだ。彼はしまったという顔をした。
「そんだけ解ってるなら、間違いなく適任だ。いったい、あの教団とあんたはどういう関係なんだ?」
「いや、俺はただ……友達があそこに嵌まっちまってな」
ようするに岩元鉄三郎は、かつての同僚である友人が例の競馬道場に嵌ってしまい、そのことを心配してほんの少しだけ道場の中に入り込んだのだった。するとその友人は、すっかり教団に絡め取られてしまい、家族も友人も、これまでの人生さえも全てを捨てて、我が身を道場に捧げてしまっていたらしい。
それを目の当たりにして自分はそうはなるまい。歯を食いしばって逃亡した結果、うまく逃げ出すことに成功したのだそうだ。
その時の体験を生かして、今度はちんけな寸借詐欺を繰り返しているという訳だった。
褒められるべき部分と責められる部分とが、あまりにも乖離している。なかなかに珍しい人物だと俺は感じた。
いずれにしろ、所長はまだ留置場の中だ。できれば直接判断を仰ぎたいとも思った。しかし、俺が気軽に面会にいくことは禁じられている。
この事件を俺は、筋肉バカのウサミさんと二人で解決したいと強く願ってもいた。それは新人とはいえ、役に立つ男だと認めてもらいたい一心でもあった。
だがそれは、この事件をさらにとんでもなく肥大化させた上にもっと凶悪化させ、さらには岡林探偵事務所の存続までもが危ぶまれることになる、それほど巨大な事件の、ただの序章に過ぎなかったのだった。
それでも俺はただ……毎日がごく平凡であることだけを願ってもいた。
俺のたたみかけるような説得によって、岩元鉄三郎は心を決めた。
「わかったよ。やればいいんだろうやれば。やるからには任せとけ。俺に全部任せろ! にょほほほお」
取りあえず俺たち中年オヤジ3人と、巨大な悪の組織との戦いが始まったのだった。
続く
ここまで、本当に予期せぬ結果ばかりが続き、ブログで発表するには恥ずかし過ぎる結果となっている。3月16日(土)の中央競馬の結果を報告する。
3月16日 中央競馬
中京 第11レース 3連複軸1頭流し
⑪→6、7、10
1点=700円の勝負! ハズレ!!
阪神 第6レース 3連複軸1頭流し
⑨→3、5、6
1点=700円 ハズレ!!!
阪神 第10レース 3連複軸1頭流し
⑮→5、7、10
1点=700円 ハズレ!!!!
これで総投資資金は
373,910円-6,300円=367,610円となった。
それでも、これだけ負けながらもまだ半分の資金が残っている。まだまだ、これからだ。
さて、今日3月17日(日)の中央競馬だが、中山9Rが期待値の高いレースと判断した。
これが買い目だ。
3月17日 中央競馬、
中山 第9レース 3連複軸1頭流し
⑩→3、5、8
367,610円÷48÷10≒700円 1点=700円の勝負だ!
さあ、今日はどうなるだろうか? 期待しないで待つのが投資競馬だ……と思う。愚鈍な馬券師(?)は、ただ待つしかないのだ。
では、また。
¥この予想と買い目は全て本当のことです。




