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逃亡馬券生活   作者: 狂死狼
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第5章  夜に舞う華 12

「俺は殺人者だ。行方をくらませ裏街道を歩き、人目を避けて生きるしかない。投資馬券が唯一の生活の糧だ。共犯者優香とのあらたなるサバイバルの日々を綴ってゆく」


(2) 罪と罰  その4



 源の部屋はいつも通り明かりもなく、物音ひとつしなかった。蓮子や源が帰ってきた気配は感じられなかった。相変わらず携帯電話も通じなかった。もちろんメールを送っても返信はない。アパートの部屋を通りの角から見つめていても、ただ静かに夜が更けてゆくばかりだった。

 蓮子と音信不通となってもう6日目だった。もしもここのまま依頼人の蓮子が、捜索人(=大和田源)共々現れないとした場合、いったいこの先どうなるのだろうか? 何らかの罪や嫌疑が、俺や事務所に降りかかるというのだろうか……そのようなことは考えたくもない。当然、俺の入社試験も不合格になるという訳だ。

 これまでも、俺はあてもなく深夜の繁華街をさ迷い歩いた。特に源が勤めていた『乱なウエイ』の周辺を入念に探って廻った。通りを歩く酔っ払いを捕まえては、スマホで源と蓮子の写真を見せた。まともに顔を見て返事をする者はほとんどいなかった。

 いきなり俺の襟首を掴んで脅してくる者さえいた。

「てめえ、何の権利があってこの辺りを探ってんだ? ええ。あんた刑事か何かか。だったら手帳を出せよ」

「あ、いや。その……人に頼まれて」この世界に入ったばかりのド新人だ。そう言われたらビビるしかなかった。

「ふざけんじゃねえ、こら」

 蹴飛ばされ、道ばたに倒されもした。唾を吐きかける者もいた。屈辱というものをとことん味わった。テレビではかっこよく見える刑事や探偵の聞き込み捜査なんてモノはとんでもなく地味で、相手からすると胡散臭いことこの上ない代物だった。何にしても個人情報の漏えいが何よりも警戒されるこのご時世だ。協力しようなんていう奇特な者は、この繁華街にはまずいなかったのだ。

 それでも我ながらびっくりするぐらい、へこたれずに聞き込みを続けた。ブラックなリフォーム会社での飛び込み営業の経験が生きていたようだ。

 いくつかの目撃情報を耳にすることもあった。だが、それはただ彼らを見かけた気がするといった程度の情報であり、彼らが今どこでどうしているかの手掛かりとはなり得なかった。


俺は途方に暮れた。せめて依頼者の蓮子くらいは連絡よこせよ。頼みっぱなしで今さら知らんぷりはないよな……そう考えるとだんだんと腹が立ってきた。 なんなんだよいったい。金が払えなくなったとでもいうのか?

 あの二人はいったいなんなんだ。被害者と加害者でありながら、何を今の今でもずるずると関係を続けてるんだ。馬鹿じゃないのか。頭がおかしいよ絶対に……。

 そうだ。初めから何もかもおかしい案件だった。

「俺を探してくれ。俺がいなくなってほとほと困ってるんだ……」本当に馬鹿じゃないのか。あの言い草はないよな……。

 いや、待てよ。あの二人に、そうそう行く場所なんてあるだろうか。友達がいるような形跡は全くなかった。これまで調べた感じでは、二人ともどう考えても社交的というにはほど遠いタイプだ。本当に、今現在どこかに身を隠しているのだろうか? いったいどこにそんな場所があるのだ? あんな事件を起こしたからここまで逃げて来たようなもんだ。地元には決して戻らないだろう。きっとあの二人なら……。

 そう考えると、答えはひとつのような気がしてきた。

 しかし、俺のような見習いがおいそれといきなり行動できる話ではない。

 さて、どうしたものか。


 朝方にアパートの部屋へと戻ると、優香は豆電球だけが灯る部屋で寝息を立てていた。

 その寝顔は可愛らしく、とても愛しいと思えた。今すぐにも抱き締めたかった。

 だけど、俺たちは殺人事件の共犯者だ。世間一般に顔向けできる恋人同士などではない。

 人の命をなぶり、消滅させ、今を細々と生きながらえているおろかな者同士だ。たとえそれがどんなに憎き相手であったとしても、命を奪うことは決して許されることではない……その禁を犯した者同士。だからこそ、解る気がする……。

 源と蓮子の二人の関係も、きっと似たようなものだと思う。

 おぞましく、美しく、儚くて、清らかでそして哀しい……。


 俺は明日の朝、岡林とともにあの部屋へ、踏み込むことを決意していた。




               続く



久しぶりの投資馬券だ。もちろんこれまで何もしていなかった訳ではなく、毎日中央と南関kり場の出馬表はチェックしていた。だが、体調を崩したあたりから、今いち期待値の高いレースに巡り合えずにずるずると過ごしてしまった。すまん。


もう体調は万全だ!!

まずは3月2日の中央競馬の結果からだ!!


小倉 第6レース 3連複軸1頭流し

⑭→3、4、11、12、13

1点=800円の勝負だ。


ハズレ!!


小倉 第10レース 3連複軸1頭流し

⑤→2、4、、6、8、9

1点=800円の勝負だ。


ハズレ!!!


これで総投資資金は

429,910円-16,000円=413,910円となった。


さらに体調を崩している間にも1度投資を行い、失敗している。

そのため、総投資資金は

413,910円-8,000円=405,910円となっている。



さて、気を取り直しての3月9日(土)の中央競馬だ。

期待値の高いレースはふたつ。中京と阪神に見出した。


中京 第7レース 3連複軸1頭流し

⑫→1、5、6、7、11

405,910円÷48÷10≒800円

1点=800円の勝負だ。


阪神 第10レース 3連複軸1頭流し

③→1、6、9、10、11

405,910円÷48÷10≒800円

1点=800円の勝負だ。


いくら何でも、そろそろ俺の馬券術も目覚める頃だ。

春の訪れとともに……ねえ、そうだよね?


(※この予想と購入、資金状況はすべて事実です!!) 


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