第5章 夜に舞う華 2
「俺は殺人者だ。行方をくらませ裏街道を歩き、人目を避けて生きるしかない。投資馬券が唯一の生活の糧だ。共犯者優香とのあらたなるサバイバルの日々を綴ってゆく」
(1) 謎の女 その2
「あの、俺がどこにいるのか解らなくなっちまって。ほとほと困ってるんです。すみませんが俺を見つけて出してもらえませんか?」
女はこう言った。頭のおかしい人なのだろうと思った。声や体つきは間違いなく女だ。オカマという感じでもない。『俺』という言い方もまあ、普通ではないがないともいえない。だが、真顔で俺を探してくれとはどういうことだ?
まともに相手をしたくはなかったが、取り合えず事情を聞いてみることにした。
「俺を探してくれということですが、俺というのは目の前のあなたのことではないんですか?」
「馬鹿じゃねえの。目の前の女のことを探せなんて誰が言うかよ」
「はあ。じゃあ、いったいあなたは誰なんですか?」俺は腹が立ってきた。
「だからさ。俺がこの女の中に入っちまったっていうか。ほら、よくあるでしょ映画とかでさ。男と女が入れ替わっちまうヤツ。あれになっちゃったんだよ」
「はああ。ではあなたは今現在全く別人の女の体に入れ替わったというんですか?」
「そうそう、それそれ」
頭が痛くなってきた。
やはりおかしい人のようだ。
「じゃあ、もしそうだとすると、入れ替わった男の人、つまりもとの自分を探してくれと、こういうことですか」
「そういうことだって。ようやくわかってくれたな」
女は足を組んで腕を組み、ふんぞり返るようにして言った。
俺はなかば呆れかえりながら、面白そうだとも感じていた。少しからかってやろうかと思った。
「なるほど。では、いつから入れ替わったんですか?」
「三日前かなあ」
「どういった状況で?」
「俺は女と手を切ろうとした訳よ。たまたま飲み屋で知り合った行きずりの女さ。4~5回あっただけなんだ。すると女が暴れだして取っ組み合いになったのさ。そのまま勢いがついちゃってアパートの階段を転げ落ちてさ。そうしたらいつの間にか入れ替わっちまったって訳」
「で、男はどうしたの」
「それが……気がついた時にはもう姿が見えなくて。どこへ行ったのかさっぱり」
「へええ……」
よく見ると女はスっピンだった。ケバい印象を持ったのは目鼻立ちがくっきりしているせいだろう。身につけている物は男物の大きめのシャツにジーンズだった。
「やっぱりあれですか。トイレとか色々お困りな訳ですか?」
「う、うるせえよ。あんたには関係ねえだろう」
女は少し顔を赤らめた。どうやら嘘を言っている雰囲気はなかった。しかし、そんな漫画みたいなことが本当にあるのだろうか。もしあったとしても、普通は相手が目の前にいて入れ替わった後にあたしの体見ないでとか、俺のちんちん触るなとかそんなありがちな事ならまだしも、入れ替わった相手は忽然と消えてしまったのだという……。
「じゃあ、ちょっとお訊きしますね。まず、あなたのお名前、年齢、職業を」
「大和田源、36歳、バーテン」
「その、勤めているお店には?」
「ああ、もちろん行ったさ。俺はそこには来ていなかった。俺だおれだっつったらマスターに気味悪がられた」
「ご家族は」
「ここ△△市には俺一人。田舎は千葉の方だけど、両親が健在。あと姉貴が結婚していて九州にいるよ」
「お住まいは」
「C区の古いアパート」
「で、女性の方のお名前、住所、年齢、職業、家族などは?」
「名前は蓮子だって聞いたけど、あとはさっぱりわからねえよ。歳は20代後半かなあ……仕事は介護かなんかって言っていたような」
ふうむ。これは難事件になるかもしれない……。
この時ばかりは事務の竹下さんに早く帰ってきてくれと祈らずにはいられなかった。
続く
さて、昨日土曜日の中央競馬の結果だ!!
阪神 第8レース 3連複軸1頭流し
⑫→1、2、4、8、10(※オッズ15倍以下は切り捨て)
ハズレ!
小倉 第9レース 3連複軸1頭流し
⑨→1、2、3、5、10
ハズレ!!
総投資資金は
67,790円-18,000円=449,790円となった!!
これはヤバい……しかし、まだまだだ。
さあ、懲りもせず2月24日(日)の中央競馬の買い目だ!!
投資は1レースのみ。
中山 第9レース 3連複軸1頭流し
⑨→1、2、3、4、10
449,790円÷48÷10≒900円
1点=900円の勝負だ!!
(※オッズ15倍以下は消し)
今日もすがすがしいほどに単純だ。だが、それがいいのだ。今日は良い結果を期待しよう。ではまた。
(※この予想と購入はすべて事実です!!)




