第5章 夜に舞う華 1
「俺は殺人者だ。行方をくらませ裏街道を歩き、人目を避けて生きるしかない。投資馬券が唯一の生活の糧だ。共犯者優香とのあらたなるサバイバルの日々を綴ってゆく」
(1) 謎の女 その1
あれからすぐにチャンゴは○○市へと旅立った。
つまり、あいつは我を忘れてカオリを追いかけてどこまでも、ということだ。
それは良いことなのだと心から思う。俺にはカオリをどうしてやることも出来やしない。万が一、意識が戻るなんて事があったとしてもどうにもなりゃしない。チャンゴは俺の正体を話しはしないだろう。いや、俺を諦めさせるために言うとしたらそれでもいいのだ。俺にはもうどちらでもいいことだった。
チャンゴとカオリが上手くいってくれればそれでいいと思う。
藤堂秀美の殺人についてはやはり身代わりが出頭してきた。大友康治(32)住所不定無職、飲み屋で知り合った秀美に馬鹿にされたことを恨み、金を奪う目的で殺した容疑で逮捕された。組織が身内で処理したと見える。
俺とチャンゴはこの事件に関しては難を逃れ、事なきを得た。
藤堂は、息子のひき逃げ事件を上手くもみ消した上にさらに、息子が殺されたのは偶然などではなく、反対勢力の陰謀によって殺されたかのようにほのめかした。そんなクサイ芝居のおかげで世論の同情を集め、政界での失脚を逃れることが出来たのだった。何もかも岡林の読み通りだった。カオリの被害に対しても裏で藤堂が金を用意したようだ。
世の中というのは恐ろしい。こんなことがまかり通るのが世間なのだ。
世間とは、そのほとんど全てが利害関係で廻っている。無償の愛だ、友情などというのはファンタジーに過ぎないのだ。親子の関係以外でそんなものは存在しないのだ。俺のように、利害関係も無しで殺人を犯すなんてことも論外なのだろう。
そんな世の中だからこそ俺はいまだにのうのうと生きていられるのかもしれない……。
そして俺は『雀雀バリバリ』を辞めることにした。出江マスターには申し訳なかったが、俺の替わりにしゃもん弟をあてがうことにした。お互い見知った仲だし、先日の揉め事の真相を全部話したら、マスターも快く雇ってくれた。まじめに働くことがギャンブルで身を立てるにしても、まずは大事なことだ。
俺は岡林のもとで探偵の見習いとなった。
殺人犯が探偵ごっことは……世も末とは正にこのことだろう。よくあるじゃないか。犯人を探していたはずの探偵が実は犯人でした……なんて茶番劇が。
まさにあれを地でいくようなことになる訳だ。不思議なものだ。
もちろん、投資競馬は続けてゆく。幸い俺の馬券術には大して時間はかからない。仕事に差し触るようなことはない。
俺は下働きとして事務所の掃除から買い出し電話番と、忙しく働いた。事務員の竹下裕子さんバツイチとはすぐに仲良しになった。もちろん男女の関係にはなっていない。そうならないように当然ながら避けている。
それから優香は病院を辞めた。カオリがいた病院に勤めることは危険が伴うだけだ。当面、夜のバイトを始めることとなった。すると夜の仕事が不安じゃないかって? え。あ、男がつく心配とか……そうなったらそれでいいと俺は思っている。全く無問題だ。
様々な事が徐々に大きく動き始めていた。俺を待ち受ける未来は果たして天国なのか地獄なのか。
おそらくは地獄でしかないだろう。
そんな折、竹下さんが銀行へ行き、俺は一人事務所で留守番をする羽目になった。そうそう客が来るはずもないし大丈夫だからといわれたがのだが。
そして珍しく客(?)がやって来た。
少しケバい服装の、どちらかといえば夜のお勤めの雰囲気だった。
若い女だ。顔立ちは不細工ではない。まあ、整った顔立ちだ。
女は開口一番、こう言った。
「あの、俺がどこにいるのか解らなくなっちまって。ほとほと困ってるんです。すみませんが俺を探し出してもらえませんか?」
え? 俺がどこにいるか解らないだと??
目の前の女は確かにそう言った。
いったい何がなんだか、俺は頭がおかしくなりそうだった。またしても、女難の相なのだろうか……。
続く
昨日2月22日(金)の南関・船橋競馬 第7レースの結果は外れとなった。残念だが仕方がない。
マイナス9000円。
総投資資金は
476,790円-9,000円=467,790円
となった。
さて、今日2月23日(土)は中央競馬が中山・阪神・小倉と3場所開催だ。全レースを吟味した結果、阪神8レースと小倉9レースが期待値の高いレースと判断した。2レースで勝負しようと思う。
買い目はこれだ!!
阪神 第8レース 3連複軸1頭流し
⑫→1、2、4、8、10
(※オッズ15倍以下は切り捨て)
小倉 第9レース 3連複軸1頭流し
⑨→1、2、3、5、10
467,790円÷48÷10≒900円
1点900円の投資だ!!
さあ、今日こそは良い結果を期待しよう。ではまた




