第4章 凍りつく街 35
「俺は殺人者だ。行方をくらませ裏街道を歩き、人目を避けて生きるしかない。投資馬券が唯一の生活の糧だ。日々、今日の結果と明日の予想を綴ってゆく」
6) 決壊 その1
「ああ。殺したいと思ってるよ」
俺はしゃもん弟を思い切り睨みつけた。
「本当に悪かった。この通りだ。許してくれないかな。あいつら、初めは親切そうな感じで近づいて来てさ。困ってるなら用立てるなんて言葉についほだされて」
「あの杉浦とタッチャンに金を借りたのか?」
「そうなんだ。30万ばかり。それが運のつきさ。それからあいつらのいいようにこき使われるようになったんだ」
「対等の関係だと思っていたけど違ったのか」
「表向きはね。蔭では散々にいびられていたんだ。狂さんをだまして雀荘に誘い込んだのも奴らの言いなりで」
「馬鹿なことを……で、その金はどうしたんだ」
「親に泣きついて返したよ。兄貴の保険金がまだ少し残ってたから。それでも倍の60万を請求された」
「馬鹿野郎! それくらい自分の力で返せよ。兄貴はそんなことのために死んだんじゃないだろうが!」
……いや、そのことのために死んだのだった。借金を返すための最後の大ギャンブルで。
「申し訳ない。でも、必ずこれから働いて親には返すよ」
「そうしなよ……まあ、俺も偉そうなことは何も言えないけどな。カードでぎりぎりまで借金してそのまま支払いをすっ飛ばしているよ。ちょっとやぶさかじゃない理由があってさ」
「そんなの、どうってことないじゃん。自己破産でもしちゃえば全てご和算だよ」
「そういう考えは好きじゃないな。でもま、今は仕方ないんだ。それよりな」
俺は財布からしゃもんが勝手に忍び込ませたあの偽造馬券を取り出した。あまりにもチープな『がんばれ キョウシロウ』の応援馬券を見せた。
「これさ。お前の兄貴が俺のために造ってくれたんだ。笑っちまうけど、俺にとっては大事な宝物なんだ。お守りみたいなものさ」
「へえー兄貴がこんな物を」しゃもん弟はしげしげと手に取ってそいつを眺めた。「ホントに笑っちゃうほど下手くそだね」
「だからいいんだよ」
「うん。そう思う」しゃもん弟はうなずいた。
「ところで、お前。今日はここに何しに? パチンコ打たないのか」
「そう思ったけどやめた。もうギャンブルはやめた。借金は絶対に働いて返す。それまではギャンブルはしない。ただし研究は続けるよ。いつか借金を返して余裕が出来たら、その時はもう一度ギャンブルで生計を立てる。その目標を絶対に実現させる!」
「そ、そうか。それはお前の人生だ。好きに生きるがいいさ。俺も自分の道をみつけるよ」
しゃもん弟はにかっと笑って『パラダイス』を後にした。その顔は兄貴の笑顔そのものだった。言った通り、ギャンブルから一時でも離れてくれればいいなと願う。偉そうに言える立場ではないが……。
△△市は猛烈な寒気に襲われていた。40何年ぶりのなどとニュースが騒いでいた。マイナス10度を大きく下回っている。寒いなどという感覚ではいられなかった。
「げへっさみっ!」よりは「ぐはっいたっ!」という感じだった。
続く
まずは昨日の結果から。
2月9日(土) 中央競馬
京都 第8R 三連複 軸1頭流し
⑩→2、3、6、7、9 (9点)
※オッズ15倍未満は切り捨て
一点=1,000円の勝負!!
ハズレ!!
第12R 馬連 3頭流し
⑨→5、6、13 (3点)
498,720円÷48÷3≒3,500円
一点=3,500円の勝負!!
ハズレ!!!
これで総投資資金は
498,720円-19,500円=479,220円となった!!
くっそおー! 怒りの鉄拳をJRAに喰らわせたい!!!
さて、明日も中央競馬、買い目はこれだ!!
2月10日(日)
東京 第7R 三連複 軸1頭流し
⑤→7、10、16 (3点)
※オッズ15倍未満は切り捨て
一点=900円の勝負!!
東京 第10R 三連複 軸1頭流し
③→6、11、14 (3点)
一点=900円の勝負!!
京都 第11R 馬連 3頭流し
⑫→2、10、11 (3点)
479,220円÷48÷3≒3,300円
一点=3,300円の勝負!!
さあ、頼むぜベイベー 当たってくれよ!!!
ではまた。
(※この予想と購入はすべて事実です!!)




