第4章 凍りつく街 27
「俺は殺人者だ。行方をくらませ裏街道を歩き、人目を避けて生きるしかない。投資馬券が唯一の生活の糧だ。共犯者優香とのあらたなるサバイバルの日々を綴ってゆく」
(5) 氷点への入り口 その3
「子供の喧嘩でブタ箱入りじゃ割に合わねえな」
薄笑いを浮かべるこの男、岡林はおそらくやくざ者なのだろう。広域暴力団の構成員なのかもしれない。コロシの匂いがするとうそぶいた。どうも俺の周りには特殊な能力を備えた人間が集まるようだ。
もっとも、博打に精を出す人間なんていうのはもともと特殊能力のかたまりだと思う。いくら負けても負けても懲りずに金を突っ込むのだ。命の次くらいに大事なはずなのに……。負けたことは特殊な記憶改変能力が発動する。そして、次こそは勝てると信じ込める。ある意味特殊な超能力の持ち主なのだ。
かつてブラック企業で飛び込み営業をしていた頃によく思った。どれだけ断られても諦めずに次の家、次の家と営業して歩く。これこそまさしくギャンブラーにしかできない仕事じゃないかと。つまり、ギャンブラーが真剣に取り組めばこれほど割のいい仕事もないのだ。営業の世界ならば、いくら外れても負けはないし金が減ることもない。むしろ最低限だとしたって、手間賃程度の給与はもらえるのだ。しかも当たりを引けばその見返りはでかい。究極の、夢のようなギャンブルだといえる。
ただし……ギャンブルのあの脳髄を刺激するような、強烈な魅力はない。
話がそれた。
その日の取り調べは1時間程度だったろうか。警察官にもやる気のないおざなり感が目についた。つまり、内輪喧嘩に付き合っていられるほど警察も暇じゃないよ的な感じがありありだったのだ。訴えが出たから仕方なく俺を拘束したというようなそんな感じだった。それでも俺は、あの通り魔殺人について尋問されるのではないかと戦々恐々としていた。
それは取り越し苦労に終わった。
だけどおかしい。あそこまでシンちゃんは調べが進んでいることを匂わせていたはずだ……いったい何故だ?
そうか。もしかしたらシンちゃんが手を回して……きっと、俺に対する疑いを内部で揉み消したのではないのだろうか?
今となっては確かめる術はないし、訊いたところで真実を答えるはずもないだろうが。
留置場では、携帯も財布も何もかも没収されて身動きが取れない。これから俺はいったいどうしたらいいのか……もしも訴えが取り下げられなければ、俺は最大三週間ほどはここを出られないかもしれない。昔、詐欺行為を働いて捕まった友達がそうだった。困った……せっかくの雀荘でのアルバイトもこのままじゃクビだろう。
ここの飯は冷めた安い弁当ばかりだった。パサパサのご飯に不味いオカズ……いや、何を贅沢を言ってる。あのころは日々食パンをかじってしのいでいたじゃないか。
あれからすでに3カ月になるのか?
短い間にずいぶんと遠く、果てしない逃亡の旅が続いたものだ。めまぐるしくてとんでもない運命の渦に巻き込まれそれでもなお、俺は生きている。
「なあ、あんちゃん。ここを出たら、俺の仕事を手伝う気はないか?」
岡林が食べ終えた弁当のカラを放り投げるようにして言った。
「仕事って、いったいどんな仕事ですか」
「なあに、誰にでもできる簡単なお仕事さ。もちろん普通じゃありえないお給料が手に入るぜ。その気になれば、永く勤めることも可能だ」
岡林は指先をトントンと小さな食卓テーブルの上で上下させた。
「きっと、やばい仕事なんでしょう」
「それは多少な。でもな。どんな仕事だってよ、内職でもない限り少しは危険ってものはつきまとうんじゃないのか? そのリスクが大きいほど身入りがいいのは世の中の道理だろ」
岡林の薄笑いは次第に俺にとって、魅力的なものに見え始めていた。
続く
ではまずは昨日の結果から。
1月31日(木)川崎競馬
第8R 三複複軸1頭流し
⑦→3、4、6、11、12 (9点)
ハズレ
第11R 三複複軸1頭流し
⑪→4、5、9、10、12(9点)
ハズレ
すまん。全くいいところなしという結果だった。
これで総投資資金は
507,330円-18,000円=489,330円となった。
厳しい結果が続いている。だが諦めてなるものか。諦めたら何もかもがそこで終わりだ。少なくとも、この資金がゼロになるまでは絶対にあきらめない!!
さて、今日の買い目はこれだ!!
2月1日(金)南関川崎競馬
第8R 三複複軸1頭流し
⑦→4、6、10、11 (6点)
第11R 三複複軸1頭流し
⑨→2、6、10、11(6点)
第12 三複複軸1頭流し
⑥→1、3、10、11、13(10点)
※オッズ15倍未満は切り捨て
総投資資金 489,330円÷48÷10≒1,000円
1点=1,000円の勝負だ!!
きっと来る。きっと来るさ、いつかはきっと『貞子』のように!
今日こそそれを期待したい!!
ではまた。
(※この予想と購入はすべて事実です!!)




