表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃亡馬券生活   作者: 狂死狼
10/259

第2章 逃亡者の休息 8


「俺は殺人者だ。行方をくらませ裏街道を歩き、人目を避けて生きるしかない。投資馬券が唯一の生活の糧だ。生きるか死ぬか、あるいは捕まってしまうのか……究極のサバイバルの日々を綴ってゆく」



(7) 呪縛 その2 



「何を、いったい?」

 蹴破ったドアの向こうでは、ポマードがカオリを踏みつけにしていた。

 カオリのシャツははだけていて、袖が破れていた。カオリは必死に両手で押さえている。「狂死狼さん、来ないで……!」

 俺を見つけたカオリは叫んだ。

「カオリさんッ」

 俺はポマードを突き飛ばしてカオリを覆い隠すようにして守った。

「なんだ、お前は。ああ、やっぱりこいつか? ええ。こいつが、やっぱりお前の……」

「違います。この人は違います。あなたの方こそ!! いや、もういい。お願いだから、もう別れて!」

「このお。ちっくしょう!!」

 ポマードは、俺の背中を蹴り、拳を何度も何度も叩きつけてきた。

「お前なんか、お前なんか、ちくしょう!!」

「やめて!!狂死狼さん、もういいからッ」

 こんな奴に、腕っぷしで負けないくらいの自信はある。しかし今、傷害事件を起こす訳にはいかない。

 俺は奴の暴力にひたすら耐えた。体力が酷く失われていた体には骨まできしむような痛みが走る。

 俺の腕の中でカオリはうち震えて泣いていた。

 ポマードも泣きながら、それでも執拗に俺の背中を叩き続けた。

 俺は気を失いかけた。

「警察を呼びます!!」

(カオリ、それだけは、それだけはやめてくれ……)

 失いつつある意識の中で、うわごとのように俺は言っていた。


 気がつくと、カオリの部屋のベッドの上で俺は目覚めた……



 さあ!! 明日は競馬だ。今度こそ当てなければ。

 明日の買い目は決まった。

 狙いは、中京 第11レース 中日新聞杯G3 3才上オープンのハンデ戦だ。



 総投資資金  336,270円÷36÷3≒3,100円



 軸馬は14番マイスタイル 田中勝春の騎乗だ。

 頼むぞカツハル。お前にすべてを託す!!


 7-14、11-14、12-14

 各 3,100円ずつだ。


      続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ