息が…
苦しくなるといつの間にかここにきている。
ここのほうがよっぽどつらいはずなのに。
多分あのときのほうが辛かった、だから我慢しろと心が言っているのだと思っている
俺はあの後、何回も死のうとした。生きるのが辛かった。でも死ねなかった。
屋上と言えるような場所があったのでー50メートルくらいだろうか?ーそこから飛び降りてみた。
メートルという概念が俺にはないのでわからないが、そのくらいだろう。
しかし死ななかった。三回繰り返し絵したが無理だったので、次は心臓をナイフで刺してみた。怖かったがこれなら死ねると思った。
しかし…これも死ねなかった。痛いだけだった。
その後どこから聞きつけたのか、俺があの資料を読んだことがばれた。
お仕置きという名の、拷問が始まった。いやあれは、殺しだ。
最初は身体を槍で突かれ殺された。その次は、火あぶりにされた。あれはどのくらい焼かれていたのだろう。30分くらいだろうか。そのあとは、釜茹でや体の切断。さすがに、毒を飲まされて死んだときは苦しかった。
それからは…憶えて…いない。
苦しみから解放される前のご主人様からの一言。
誰にもばらすな。
頷くしかなかった。
言いふらしたら何が起こるかわからない。
ここから逃げることもできないのだから、再びあの苦しみが待っているだけである。
それどころか、ナナミに伝えたら、ナナミがどうなってしまうのか、考えただけで怖い。ナナミは巻き込めないのだ。
苦しい。息が…出来ない…。
そこに…
「探したよ!!!?どうしたの!!」
そう言いながら袖で俺の顔を拭いてきた。
「…なんでもない…。」
そう言ってまたごまかそうとした。
これだけは…このことだけは言ってはならないとわかっていたから。
しかし
「なんで泣いてたの?なんであんな辛そうな顔してたの!?いつからこんな怖い目をするようになったの!!?あのときの私、ここにいたばかりの私を救ってくれたように、私もあなたに何かがしたいの!!ねぇハチ…辛かったとしても少しづつ教えて?」
そして一息置いて、彼の目をしっかりと見つめて
「あなたが困ってるなら助けたいの。救いたい。」