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フレイムボール作戦-2

 2月19日 1134時 コソボ国内


 "ウォーバーズ"とケレンコフがコソボとアルバニアの国境を越えた。レーダーが破壊されていたため、今のところは、脅威となるものに遭遇せずに攻撃目標に向かっている。

「"ウォーバード1"より"サバー"へ。攻撃目標は明らかか?」

 今回の目標は、セルビア軍が設置した補給処だ。無人機による偵察で、ミサイルや砲弾、燃料などが大量に集積されているのが確認されている。

『"サバー"より"ウォーバード1"へ。ブリーフィング通りだな。きっと、馬鹿みたいによく燃えるぜ』

 今回の兵装は対地ミサイルと対空ミサイルだ。まずは、レーダー警報装置を確認した。どうやら、先遣部隊が対空兵器をほぼ完全に排除してくれたようで、難なく国境を超えることができた。

「各機、レーダー警報装置とミサイル警報装置に注意。敵機に見つかる前に目標を破壊するぞ」

『こちら"ドロイド"、標的を確認。データリンクで誘導する』

 無線から、飛行場でMQ-9を操作している高橋正の声が聞こえてきた。高橋とマグワイヤが無人機で予め、ターゲットを標定し、戦闘機部隊がスタンドオフミサイルで攻撃する、という手順だ。


 最初のターゲットになったのは、セルビアが新たに建設していた弾薬庫だ。その上空に、静かにMQ-9が忍び寄った。レーザーとカメラで標的を捉えると、データを味方へ送信し始めた。


「ターゲット確認・・・・データリンクオンライン・・・・」

 ハンス・シュナイダーがタウルスの発射準備を整えた。ユーロファイターには、この巡航ミサイルが2機、搭載されている。更に、ミーティアを4発とIRIS-Tを2発、搭載しているため、タウルスを発射した後も、味方機の護衛という任務をこなすこともできる。やがて、ユーロファイターのコンピューターがタウルスが標的にロックオンしたことを伝えた。

「"ウォーバード7"、ミサイル投下!」

 ユーロファイターから大きなミサイルが2基、続けて投下された。タウルスは少しだけ滑空した後、ロケットモーターに点火して、真っ直ぐ飛んでいった。


 パトリック・コガワも標的を捉えた。F/A-18CにはAIM-9XとAIM-120C、AGM-84Hが2発ずつ搭載されている。

「ミサイル発射」

 ホーネットからSLAM-ERが投下される。更に、Su-30SMからは、2発のKh-31Mも発射された。スタンリーが、敵の防空システムの外から攻撃することを想定していたため、全ての戦闘機の対地兵装は、射程の長いスタンドオフ・ミサイルとなっていた。


 2月19日 1139時 コソボ国内


 傭兵部隊のT-80UMやレオパルト2A5、ルクレールなどが標的となったセルビア軍の防護陣地めがけて驀進し始めた。やがて、向こうの防護のための部隊見えてきた。どうやら、セルビア軍のT-55やT-64のようだ。

「標的確認。攻撃開始!」

 120mm滑腔砲や125mm砲が火を吹いた。T-72を優先して狙い撃ちする。だが、向こうも新型戦車を用意していた。


 99式G戦車が傭兵部隊を撃ち始めた。APSFDS弾によりM113やM3ブラッドレーが潰れる。更に、AT-3"サガー"対戦車ミサイルも飛んできた。機甲部隊は煙幕を張りつつ、陣形を変えながら攻撃を続けた。


 攻撃ヘリ部隊が国境を越え、匍匐飛行をしながら敵機甲部隊の側面や後方へと向かっていった。その数キロ後方では、補給部隊が燃料や弾薬を用意している。彼らの任務は、敵の機甲部隊を横から攻撃し、地上部隊をアシストすることだ。

「こちら"アナコンダ"。敵を確認次第射撃せよ」

 デイヴィッド・ベングリオンがこの部隊の指揮をすることになった。EC-665やMi-28、Ka-52といったヘリを引き連れている。ヘリは敵の自走式高射機関砲や地対空ミサイルのレーダーを避けるため、低空スレスレを飛んでいる。先行してOH-58Dも飛んでいるが、センサーの面ではアパッチ・ロングボウやタイガーの方が勝っているため、補助的な位置づけでしかなかった。

『こちら"マングース"。了解。敵を捉えた』

 傭兵部隊のKa-52が9K114対戦車ミサイルの発射準備を終えた。EC-665もTRIGATをターゲットにロックオンさせた。

「攻撃開始」

 ヘリから矢継ぎ早に対戦車ミサイルが発射された。敵は一瞬後にミサイルに気づいたのか、2K22ツングースカや07式自走対空機関砲から曳光弾が発射され始めた。

「ミサイル!ミサイル!」

 攻撃ヘリがフレアを撒きながら、低空でジグザグに飛行して攻撃を避ける。更に、SA-19も飛んできた。そして、A129マングスタがミサイルの餌食になった。

『くそっ!"ブロッカー3"がやられた!』

「全機、退却せよ!」

 ヘリ部隊は編隊を解き、補給部隊が待つ後方へと退却し始めた。

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