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姉、嫁、俺  作者: 灰汁の天災
第一章 シゴー国、ロクシ街にて
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1

初めてオリジナル小説を書いてみました。

思いつきと趣味で書いているので深く考えずに読んでください。

「んむ・・・」

とある朝、一人の少年が目を覚ました。

だが彼の目覚めは決して爽やかなモノではない。

なぜならば・・・

「んんぅ・・・」

「・・・寝るか」

豊満な身体の女性が少年の頭を抱え込み、その大きな胸の間に挟むように抱き着いているからだ。

「んぅ~リュウ~」

「・・・なに?」

「もっと・・・もっとお姉ちゃんを舐めてぇ~」

「なんの夢見てんだよ・・・」

より強く少年を抱きしめながら女性は妙な事を言い出した。

「さ~てどうすっかね~もういっそこのまま二度寝するか~」

「少しは抜け出す努力をなさってください」

二人だけだと思われた空間にもう一人の女性の声が響いた。

「お~ミリノ、なんとかしてくれ」

「でしたらナレア様とご一緒に寝るのをお止めになったらいかかです?」

「そしたら姉ちゃんが色んな意味で死にかねない」

「・・・ハァ」

メイド服の女性、ミリノがため息をついたのはもはやどうしようもないとわかっているからか。

「では失礼して・・・」

ミリノはゆっくりとほぼ全裸の女性、ナレアの耳元に近付き呟いた。

「リュウリ様が一人で旅に出るそうですよ?」

「待ってリュウ!お姉ちゃんを置いていかないで!」

元々起きていたのではないかと思える程、ナレアは飛び起きた。

「・・・アレ?」

「おはようございます、ナレア様」

右手を伸ばした先ではなく、自分の胸の間にリュウリがいることでナレアの寝ぼけた頭は停止しているようだ。

「ミリノ・・・貴方またやったわね・・・!」

「さて、なんの事でしょう?」

キッと睨むナレアもなんのその。

ミリノは平然と嘘をついた。

「とレアえず朝飯食おうぜ?」

「あっそうね、おはようリュウ」

「おう」

起き上がっても胸の間に挟まれた少年、リュウリはその状態で話しかけた。

「じゃあリュウ?お姉ちゃんの着替えを手伝って?」

「それには及びません」

「わきゃぁ!」

「私にかかればそんな手間は要りませんので」

「くぅ・・・!!」

リュウリを下ろしたナレアは下半身の下着だけだった。

が、メイド長ミリノが瞬く間にワンピースに着替えさせていた。

何をどうすれば一瞬で着替えさせられるのか、謎は深まるままである。

「んじゃ行くか」

「お待ちください、きちんと髪型や服装を整えてください」

「・・・髪はともかく服はこれでいいよ。飯食うし」

「いけません、普段から身だしなみを気を付けてないと外でどうなってしまうか・・・」

「少なくとも俺も姉ちゃんも家の名前落としまくってるから今さらなんだが・・・」

「リュウと同じ括り・・・いやん!」

「だからこそです!さあ着替えますよ!」

「自分でやるっつーに」

「信用できません」

「へいへい」

「待ちなさいよぉ!」

リュウリの服にミリノ手をかけようとしていると、自分の世界から戻ってきたナレアが叫びだした。

「リュウのお着替えなら私がやるわ!いえ、やらせなさい!」

「こういった仕事は我々メイドの領分です」

「どっちでもいいからはよしてくれ」

結局二人係で着替えさせられ、より時間がかかったのは自明の理である。





なんだかんだして食堂にたどり着いた三人を待っていたのはとダンディな男性とナレアと同じくらい

の年齢に見える綺麗な女性だった。

「おはよう、二人共!」

「おはよう」

「おはよ、親父、母さん」

「おはようございます。母様、父さん」

ダンディな男性は彼らの父、デモン・ヴァーデン。

美人な女性はスミレ・ヴァーデン、二児の母とは思えない若さをもっている。

「むぅ・・・何故二人は私と母さんの呼び方が違うのだ・・・」

「あらいいじゃないですか、それに私達の関係をよくわかってるみたいですし」

「しかし・・・だかしかし!父親としての威厳が!」

「んな事言ってっからこうなったんだよ。まあ尊敬はしてるけど」

「せめてリュウみたいになってから言ってください」

「なんたる仕打ち・・・」

家族総出で責められるデモンの立場は最底辺なのかもしれない。

「しっかりしてください旦那様」

「ミリノ・・・」

「食事が始められないでしょう?」

「はい」

どうやらメイドの彼女よりも低いようだ。

「では」

「「「いただきます」」」

デモンの掛け声で食事が開始されると、各々が今日の予定を言い出した。

「今日は鉱山の方に行こうと思うんだが」

「あら、でしたら新作を持って行くのはどうかしら?」

「おお、もうできたのか。なら早速試してもらおう」

デモンは興奮しながらスミレと話している。

「あ~俺はどうすっかな~」

「予定が無いならお姉ちゃんとイチャラブしましょ?」

「お止めなさい」

片や姉弟は一方的な会話をしている。止めに入るメイドもいつも通りである。

「んじゃ親父の現場にでも行くか」

「おっ現場に行くのか?なら一緒に行こう!」

「いや、鉱山ソッチじゃなくて工場」

「そうか・・・」

「落ち込まないでアナタ」

「スミレ・・・」

「いつもの事じゃない」

「ぐふっ」

落ち込むデモンもそうだが、それに止めを刺す妻もまたいつも通りである。

「ご馳走様でした」

「じゃあ早速お着替えしましょうね~」

「ですからそれは私の仕事だと・・・」

「いいよミリノ」

「リュウリ様・・・」

「気にすんなって」

「・・・わかりました」

「では父さん、母様行ってきます」

「ええ、気を付けてね?」

「・・・ああ」

そして姉弟は部屋に戻るとそれぞれ着替え始めた。

なに?年頃の子供が同じ部屋で着替えるのかって?

細けぇ事は気にしないことをお勧めする。

「~♪」

ナレアはミリノに着替えさせられたワンピースを脱ぎ、その上からお気に入りの服を着はじめる。

胸を半分程しか覆わないチューブトップ、谷間に至っては布がない。その上にショートジャケットを

羽織る。そして足にぴったりとしたスラックス穿いて鏡を見る。

「うん!今日もばっちり!」

一方リュウリも着替え終わり、ボーっと姉を見ていた。

「あら、リュウもお姉ちゃんに見惚れちゃった?」

「ん~まあいつも綺麗だよね」

「っ!!嬉しいわ!!」

「おっと」

パァっと笑顔を浮かべてナレアはリュウリに抱き着いた。

「やっとお姉ちゃんの魅力に気づいてくれたのね!大好き!結婚しましょ!」

「いや姉ちゃんが綺麗なのは前から知ってたけど?」

「なら今すぐにでも!」

「いい加減になさい」

「わきゃん!?」

やんやんと抱き着いていたナレアの頭にミリノが手刀を叩き落とした。

「いつまでそうしているつもりですか?とっとと出かけなさい」

「―――っ!?ミリノ!何勝手に入ってきてるのよ!」

「とっくに着替え終わってるでしょう?キビキビ動く!」

「くっ!メイドのくせにぃ・・・」

「とレアえず行こうや」

「そうね!」

弟に話しかけられるだけで機嫌が直るのは彼女ならではだろう。











それから二人は父親の経営する工場を訪れていた。

「お邪魔します」

「うぃ~っす」

「おっ!また来たか、ガキ共!」

そんな二人に声をかけたのは工場長であるドウジ・コーヘーだった。

この男、雇い主の子供達に対しても一切遠慮がない。

本人の気質もあるが、当の二人が好きにしていいと言っているからでもあるが。

「今日はなんだ?また面白い事でも思いついたのか?」

「いんや、ただ皆が今なに作ってんのかな~って」

「ほ~んで、お嬢はいつものか?」

「ええ、この子の付き添いよ」

「ったくお前らはいつもそんな感じだな。少しは離れようとか思わねぇのか?」

「死んでも無理ね」

「だそうだ」

「小僧も案外気に入ってんだろ?その状態」

「そレアまあね。割と気持ちいいし」

二人の今の状態は、リュウリがナレアに抱っこされている。

ナレアはかなりスタイルが良い。

中でも胸はかなりの巨乳だ。

リュウリはその巨乳の間に頭を挟まれている。

これこそがナレアが露出の高い服を着ている理由である。

谷間やお腹周りに布がないのもリュウリを抱いている時に擦れてしまわないように。

さらに動きやすさも追求し、なんとかリュウリを欲情させようとも考えた結果である。

「親方!今日こそ言ってやってくだせぇ!」

「そっすよ!あんなん見せられちゃ仕事になりませんよ!」

三人で話していると、工場の若い男達が集まってきた。

「どったの?」

「坊ちゃん!」

「坊ちゃんも坊ちゃんですよ!」

「あん?」

「「「羨ましいんだよ!!」」」

男達は血涙を流す勢いで叫びだした。

「あんないい女といつも一緒だけでも羨ましいのに!」

「さらにその身体と密着し放題とか俺らを殺す気か!?」

「・・・俺のせいじゃない」

「「下手な言い訳すんじゃねー!?」」

「だそうだ、その恰好だけでもなんとかならねぇか?」

「嫌よ」

工場長の言葉もナレアはバッサリ切り捨てた。

「そもそもこの服はリュウの為に選んだの。それを貴方達の為に変えるなんてあり得ないわ」

冷たく、見下したようにナリナは男共を見ていた。

「くっそ!だったら力ずくで・・・!」

「止めとけば~?」

沸き立つ男共を制止したのは半目のだらんとした女性だった。

「止めるな、キミ!いくらお嬢様でもこの人数でかかれば!」

「アンタらおじょーさまの実力知らんの?」

「あぁ!?」

「一夜殲城って聞いたことない?」

「それって一晩で王国の城を落としたって逸話だろ?そんな噂がなんだって」

「その張本人が目の前のおじょーさまって事」

「は?」

全員がナレアに視線を向ければ彼女はスッと顔を逸らした。

「うそぉぉぉぉぉ!?」

「マジか!?王国騎士って天才の集まりだろ!?」

「それを一晩って・・・」

「因みに王様に土下座させたってさ」

「「「えぇぇぇぇぇぇえぇえ!?」」」

「お嬢・・・そんな事してたのか?」

「・・・まあ若気の至りね」

「姉ちゃんまだ18だろ?」

「それより前だから若いでしょ?」

「ん~ま、いいか」

「ちったぁ反省しろやお前」

「そこがおじょーさまらしいじゃん」

「そういえばキミ、この間の魔法陣はどうだったの?」

「ん~まだまだだね~普通の人が使うにはもちょっと改良しないとね~」

「そう・・・」

「おじょーさまのは特化しすぎなんだって」

「むぅ・・・」

「もう一人の方なら簡単なんだけどねぇ~?」

「むぅぅぅぅ!!」

半目の女性、キミ・クラークが冷やかすと、ナレアは益々不機嫌になっていった。

「キミさん、あんまり姉ちゃん弄らんで」

「ぬふ~だって面白いんだも~ん」

「俺が被害食うんだから」

「またまた~嬉しいんでしょ~?」

「疲れるんだよ」

するとリュウリを抱きしめる力が少し増した。

「姉ちゃん?」

「リュウもあの女の方がいいの?」

「いやそういう話じゃないし、姉ちゃんの方が悪いとか無いぞ?」

「リュウー!!」

「むぐぅ」

「ごちそうさま~」

さらに力を込めてナレアが抱きしめると、胸の谷間に挟まれたリュウリがその巨乳に潰された。

「だぁーはっはっは!無敵のお嬢も坊主の前では形無しだな」

「ふぁらいふぉとふぁふぁい」

「何言ってるかわかんねぇよ」

「たぶん笑いごとじゃないって言ってるんじゃない?」

ぐっとサムズアップでリュウリは返した。

「あれはあれで大変な気がしてきた」

「だな・・・つーか坊ちゃんよくあれで平気だな」

「愛でしょ愛」

「っ!!リューーウ!!」

「んーーーーー!!??」

「頑張れ・・・坊ちゃん」

少しでも羨ましいと思った自分達を男共は恥じていた。

彼らの思いは一つ、『あそこまではいいや』

「んぅ?おじょーさま~」

「なに?」

幸せな時間を邪魔されてキミを睨むナレアだったが、キミは無言で指差した。

「大切な弟君ダランとしてるよ?」

「リューーーウ!?」

「死因が女の胸で窒息とか歴史に残るわね」

「いや助けなくていいのか?」

「どうせ生きてるからだいじょ~ぶ、だいじょ~ぶ」

姉に振り回されるのは弟の宿命である。たぶん。







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