プロローグ
ある日突然、それは発見された。
後に“魔臓”と呼ばれる臓器を持つ者だった。彼らは魔臓で生成されるエネルギーを用いて不思議な力を使い始めた。
それから数百年後、彼らと同じ様な力を使う者が現れた。しかし、彼らは魔臓を持ってなかった。彼らは、空気中に漂う微量のエネルギーー後に魔素と呼ばれるーを用いて力を使っていたのだ。
その内に魔臓を持つものが使う力を“魔法”、その力を使う者達は“魔法師”と呼ばれるようになり、魔素を用いる力を“魔術”、その力を使う者達を“魔術師”と呼ぶようになった。
人々は、魔法を使う魔法師、魔術を使う魔術師、何も能力を持たない者の3種類に分けられた。そして、この世界は魔法師と魔術師が支配するようになったのだ。
それからは、何も能力を持たない者を“無能者”と差別し、迫害されていった。そこで彼らは考えたのだ。
ーーーー力が無いのなら創ってしまえ
何十年、何百年、何千年と研究に研究を重ね、彼らはついに完成させたのだ。奴らに反撃する力を。
それは脳に特殊な施術を行うことで得ることが出来る力だった。しかし、それは遺伝することはなく、生まれてくる子供は皆無能者だった。そのため、彼は更に研究を重ね、能力を下げることなく施術を簡易化する事に成功した。
彼らは、それを“超能力”と呼び、その力を持つものを“超能力者”と呼んだ。
それから数百年、魔法師たちと超能力者は大きく対立している。幾度も幾度も大戦争を行い、多くの死者が出た。どちらも見過ごすことの出来ない損害であった。
そこで、各勢力の穏健派の者達が集まり“世界政府”という組織を作り上げ、交渉を重ね休戦まで持ち込んだ。
そして、和解への第一歩として各勢力が共同で、学園都市“フリーデル“を創設した。