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向井皐月の幼なじみなヤツ。

サブタイトル、思いっきりかぶってるけど、まぁ、気にしない気にしない。

~皐月~


ピーンポーン


俺の住んでいる地域では高級住宅街に当たる一角に、幼なじみの木村里穂の家はあった。

俺ん家の三倍のでかさ。


『サツキ?』


インターホンから里穂の声が聞こえてきた。


「おう!ちょっと遅くなった。悪い」

『全然大丈夫。今開けるから待ってて』


バタバタと階段を駆け下りる音がしてから、ガチャリとドアが開いた。


「今日バイトだったんでしょ?お疲れ様」

「まーな。別にそんなに疲れてないけど」

「そう。まぁいいや、早く入っちゃって!」


「おじゃましまーす」

家に入ると、二階からおいしそうなハンバーグの匂いが漂ってきた。


「今日はハンバーグか!うまそ~」

「それと、里穂特製のドレッシングサラダ付きだから!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・それ、毒入ってないか?」

「すっげーその確認ムカつく」


いつかマジでで毒入れてやろ。などとつぶやく里穂と一緒に、階段を上がっていく。


「あ、サツキ。いらっしゃーい。バイト始めたんだって?」


エプロンをつけている里穂の母さんが話しかけてきた。


「そうなんすよー。風見学園の近くにあるカフェのカウンター係やってます」

「あぁ、あの小洒落た店ね。今度偵察に行こうっと。

 じゃあ、先に二人で食べてて」


食卓の席に着き、二人で食べ始める。


まずは、里穂の作ったドレッシングサラダから。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・意外と、超うまい」

「意外ってのが失礼よ!」


それから、ハンバーグを食べる。


「ん~!でもやっぱ母さんの腕にはかなわないみたいだな」

「いつか抜かしてやるからー」


里穂は麦茶を飲みながら、


「そーいえばさー、もうちょいで学園祭だよね」

「確かに。2組はなにすんだろうな~」

「王道メイドカフェとか」

「うわっつまんねー」

「1組は、勇樹が面白いもん作るんだろうな~」

「いや、案外あいつ、めんどうくさがりやだからな。1組こそメイドカフェとか」


里穂と俺と勇樹は中学から仲がよくて、結構三人で遊んだりする。


「多分1組ではりきるのは、佐々木千鶴だな」


熱血タイプとして有名な佐々木千鶴。

正反対な性格の枝野マキの親友であることに、誰もが首をひねる。


「なるへそ。千鶴ちゃんか」


それはありそうね。と、里穂は言いながら、ハンバーグにフォークをつきたてた。


「今度ハンバーグ作ってみようかな~」

「やめとけ。お前が作るハンバーグはきっと真っ黒だ」

「焦がさないよ!」

「いや、焦がすね。500円かける」

「ベーだっ!あんたにはもう夕飯作ってあげない!」

「別にいいし」

「なんだとぉ~ッ!!!!!!!!!!!!!」


~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*


~千鶴~


午後8時30分。

あたしは、親友の枝野マキの家で、尋問されていた。


「おいこら。戸部んちに行くとはどーいうことだ貴様!」

「いやいやいやいやいやいや!あたしだって聞きたいよ!」

「あいつの家に行くならうちにホームステイしろー!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤダ」


あんたねぇ!と、マキは腰に手を当てて言葉で攻撃してくる。


「イケメンしかも好きな人と一つ屋根の下何か恋に進展あるかもウキウキッ♪

 もしかしたらカレカノの関係に・・・・・・・・・・・・・?

 ――――みたいなマンガチックなこと考えてるっぽいけど、絶対ないからそんなこと。

 いい?イケメンなんてものはねぇ、」


「まだ、矢ケ崎のこと、そんなにひきずってるわけ?」


瞬時に、マキの表情が硬くなる。


「大丈夫。あたしは、あん時のマキみたいにはならないから。

 大丈夫だから」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・別に、あいつのことは関係ないよ」


ただ。と、言葉を切り、


「夜襲われたりしないかなーって」

「ッ・・・・・・・・・ハァァァァァッ!?」

「いや、イケメン好きなあんたにはいい経験かもだけど、あたし的にはイケメンにそんなことされるなんて話聞いてるだけでもゲロ吐きそうだからさー」

「あんたっ・・・・・、なにっ、考えてっ・・・・・・・・!」

「ま、何かあったら教えて。戸部の野郎の首をひっこぬいてやるわ」


ニコリと笑うマキの笑顔に、ちょっと寂しげな影があることに、あたしは気づいていた。


(あいつの話題、出さないほうがよかったか・・・・・・・・・・・)

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