第三話:日常、そして怒号
どうもZe3Tです。前回から書き方をガラッと一新しました!
しばらくこの書き方で行って好評or特に反応ナシならこの書き方で行きます!
イヴに"ファマ"と名前を貰って数日経った。
ここでの生活もすっかり板についてきた。まぁそもそも他の人からは見えてないので板につくもないと思うが...
昼下がりに俺はイヴと一緒に行動していた。イヴは相変わらず親の目を盗んでは街に行ったり、川へ行ったりしていた。
「イヴ!何処行ってたの?また服を汚して...何かあった時にどうするのよ!」
このめっちゃ怒ってる人がイヴの母親。普段は如何にも仕事人と言った風貌で、真面目で頭が良い。
ただイヴの事となると話は別だ。
いつもの通り、母親に怒られるのだが...おい、怒られてるときに俺を見ないでくれ。俺は一応止めたからな?
「どこを見ているのイヴ!大体なんでいつも黙って外に行っちゃうの...」
俺はこの母親が正直苦手だ。自分の母親と重ねてしまう。ただ今となっては、この母親の気持ちが苦しいほど分かる。
母の説教を遮るように玄関の扉が勢いよく開き、ガタイの良い男の人が入ってきた。
「ただいま~...っておいイヴ、また怒られてんのか?」
この人がイヴの父親だ。母親の制止を振り切り、イヴは父に抱き着いていた。
「パパおかえり!」
「おぉ!相変わらずイヴは元気だな!」
母が「あなたからも何か言って」と促すが「いいじゃねぇか」と豪快に笑いながら受け流す。
それにつられてイヴが、それにまたつられて母が笑い出す。
嗚呼、家族ってこういう事を言うんだな。そう思ったのも束の間
「なんで笑ってんだよ!父さんも母さんも!」
背後から怒鳴り声が響いた。振り返るとイヴの兄、ジャックスが立っていた。一瞬にして空気が凍る。
「お兄!おかえり!学校どうだった?」
イヴがそう聞くと少し不貞腐れながらも「まぁまぁ」と答え、そそくさと自室に向かった。
「最近のあの子、ずっとピリピリしてるわね。何かあったのかしら。少し心配だわ」
母が心配していると父が「大丈夫だろ!アイツはお前と似て真面目で頭もいい!
それに時期的に結構繊細だろうからな。まぁ何かあったら言ってくれるだろうから心配はいらねぇ!」
と豪快に笑って見せる。
所謂"思春期"というやつだ。昔の俺とそっくりだ。
日はあっという間に沈んでいて、村中の煙突から煙が出ていた。
「夜ごはん、できたわよ」
母親の掛け声と共に家族が集まってくる。兄を除いて。
「おっ、今日はシチューか!しかし変わった匂いのシチューだな。」
凄く見覚えのあるシチューがそこにあった。これは本当にシチューか?
視覚情報だけなので何とも言えないが…
「私これ知ってる!カラルってやつでしょ!シチューと違ってちょっと辛いんだけどおいしいんだよ!」
すると親父は「そうか!お前は物知りだな!」と言ってイヴの髪をワシャワシャ撫でまわした
イヴは得意げに「この前ね、街で見かけたんだ!おいしそうだなって見てたらお店の人に食べさせてもらえたの!」
それを聞いた母がイヴを睨む、それを見たイヴが「ママ怖い~!」と言って父の後ろに隠れてしまう。
「全く、誰に似たのかしらね...」と少し呆れ気味でいうと「そりゃあ"俺ら"に似たんだろ!」そういって父は相変わらず豪快に笑う。
全く、本当に騒がしくてとても温かい家族だ。
「うるさいぞ!!」
怒鳴り声と同時に姿を現したのは、相変わらず不機嫌な兄だった。
「ジャックス!何してるの!ご飯が冷めちゃうから早く座りなさい!」
「そうだぞジャックス、今日はシチューだぞ?うまそうだろ?とっとと座って早く食おうぜ!」
イヴがすかさず「違う!カラルだよ!」と突っ込み「おおそうだった」と笑う父。
兄が何かを呟くが聞こえなかった。母親が「えっ?」と聞き返した。
「いらない!!!」そう怒鳴って部屋に兄が向かう。
「いいから黙って座れ!!!!」
兄よりも何倍も大きい怒号が部屋中に響いた。
声の元を辿ると、父が鬼の形相で立ち尽くしていた。
母は唖然とし、イヴは何が起きたか分からないような顔をしていた。
唸るように、そして諭すように兄に「いいから座って食え。」と呟く。
流石の兄も、萎縮してしまい席に座った。
兄が座ったところで緊張が切れたのか、イヴが号泣してしまった。
イヴの鳴き声で我に返った父は、すぐにイヴを抱きしめて「ごめんな、イヴ」と泣きそうな声で何度も謝っていた。
部屋にはカタカタと木製の食器の音とイヴのすすり泣く声だけが響いていた。
食卓はお葬式以上の静けさと、気まずさが漂っている。
「ごちそうさま。」と兄が不貞腐れながら食器を机の上に雑に置く。
母親が「もういいの?」と聞く前に部屋へ向かう。
最後に「ほんとに呑気なもんだな。」と吐き捨てて食卓を後にした。
兄がいなくなった後も静寂が続いたが、それを破った者がいた。
「お兄もきっと大変なんだよ。だからさ、仲直りしてねパパ。」
少女はそう父に言った。小さいながらも健気に父にそう訴えた。
「イヴ。ありがとうな。ごめんな」そう言うと遂に父は机に伏せて泣き出した。
イヴは泣く父の頭を不器用に、それでも優しく撫でていた。
この子は本当に強い子だ。俺はそう感じてしまった。
そしてこの中の一人が欠けていたらきっともっと恐ろしいことになっていたのだと、強く感じた。
転生幽霊第三話いかがだったでしょうか?
僕も書きながらめっちゃ苦しくなってきましたよ、まぁ楽しかったのですが。
次回はいつも通り未定ですので気長にお待ちください。
では、良いクリスマスと良いお年を!




