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第二話:出会い、そして名前

ヴィタリスに飛ばされてから一週間が過ぎた

何をしたら良いのか分からなかったので、とりあえずあちこち探索した。


そこで、はっきりと実感したことがある。

どうやら本当にゴーストになったらしい。


"らしい"というのは確証がないからだ。だって窓や鏡に映らないし。

自分がどんな姿をしているのかよく分からない。


人々の前で手を振ったり、前に出て邪魔をしてみてもーー

みんな何もなかったかのように、俺をすり抜けていく。


...いや時々だが視線を感じる時がある。

恐らくこの世界にも霊感がある人がいるらしい

そのせいか、裏路地に入った途端、猫が威嚇してきた。

前世では猫に好かれていた分ちょっと...いや、かなりショックだった。


猫で思い出したが、この世界には亜人もいる。

観察していると、色々な人種がいる。

耳としっぽがついただけの人種も居れば、本物の動物が二足歩行している形。

もちろん、ドワーフやエルフと言った定番の人種もいた。


そういえば、この世界についても少し分かったことがある。



この世界は、人間と亜人が共生している大陸を"クレア大陸"と、魔族が支配している大陸を"ステラ大陸"の二つで構成されている


そして今、俺はクレア大陸のシビオスと言う首都にいるらしい。



「それにしても俺がここにいるって誰も思ってもいないんだろうな。

暇つぶしで色々やっては見てるけど、とんでもなく虚しくなってきたな...」


それにしてもさっきから誰かがこっちをずっと見てる。怖いよ。


情報もある程度集まったし、どこか別の場所に行こうとしたその時ーー

声をかけられた


「おばけさん、明るくても平気なの?」

振り返るとそこには、明らかにこちらを認識している少女がいた。


「嬢ちゃん、俺の事が見えるのか?」

少女がコクっと頷く。


この時、初めて認識された事実が、正直めっちゃ嬉しかった。


「おばけさん、道に迷ったの?」

「俺が迷う?迷う必要なんてないよ。だって帰る場所がないからね。」


久々に会話ができたせいか、若干テンションが高い。


少女がポツリと「かわいそう」と呟いた。


本当にその通りだ。

楽になれると思ったら

神様に贖罪を課されて、知らない場所に飛ばされた。

正直、今でも贖罪をどう晴らせば良いのかが分からない。


そんなことを考えていると何かを決心したように少女は言った。


「そしたらお家においでよ!私の部屋で飼ってあげる!

あっでもママとパパとお兄には内緒にしないと...」


この子とんでも無いこと言い出したぞ。え?飼うって何?


有無を言わさず少女は

「ついてきて!この街から少し離れたところに私の村があるから!」


少女は純粋な笑みを浮かべて言った。

その笑顔を見た瞬間、ついていく以外の選択肢が、自然と消えた。



シビオスから北東方面に歩いていくと建物が見えてきた。


「あれが私の住んでる村、オリス村だよ!」


少女と一緒に村へ行こうとした。

だが前から女性がやってくるのを見ると少女は

少女が慌てた様子で「背中に隠れて!」と言ってきた。


バレたく無かったのだろう。

恐らくあの女性はこの子の母親だろう。


少女の背中に隠れるのはちょっと頂けないが

母親には見えていないだろうが、俺は従うことにした。

決してやましい気持ちはないぞ!?


「イヴ!何処に行ってたの?心配したのよ!?」


「大丈夫だよママ!シビオスに冒険しに行ってただけだよ!

いろんなことがあったんだよ!例えばおばけさんに会った!」


少女...イヴは「あっ」という顔をした後口を押えた


その後イヴは早口で

「でもね!おばけさんとは一緒に冒険して、そのあとお別れしたから!

帰る場所が無いって言ってたけど、連れてきたりはしてないよ!」


すごいこの子。全部言った。


すると母親らしき人物は

「はいはいそれはよかったね」と軽くあしらった後、小一時間ぐらい説教を受けていた。


長かった説教もようやく終わり、部屋に戻ってきたイヴはブツブツと

「ママも酷いよ。私は体が弱いんだからおうちに居なさいって。こんなに元気なのに...」


どうやらイヴは、体がそこまで強くない上に、勝手に街まで遊びに来たらしい。

そりゃあ怒られて当然だ。


「そういえば母親からイヴって呼ばれてるけど、名前は何ていうの?」

すると彼女は、怒られたことを完全に忘れて明るく自己紹介をしてくれた

「私はイヴ!イーヴィー・ホワイト!みんなからイヴって呼ばれてるの!」


イーヴィーか...とてもかわいい名前じゃないかと思っていると、今度はイヴから

「おばけさんもお名前あるんでしょ?なんていうお名前なの?」


「俺は...」

言おうとして、気づいた。

自分の名前が、思い出せない。


いや、違う。

思い出せないんじゃない。もう、必要ないと思っていたんだ。


死んだ人間に、名前なんていらない。

どうせ誰も呼んでくれないのだから。


よく考えたら前世でもそうだったのかも


窓際社員というか、幽霊社員だったのかもな。


「俺に名前なんかないよ。だっておばけだし、死んでるしね」


するとイヴはまた俺を驚かせる発言をした。

「じゃあお名前つけてあげる!お名前がないの変だし、おばけさんじゃかわいくない!」


この子にとっては犬や猫に名前を付ける感覚でいるのだろう。まぁ飼うって言ってたし当然か。

「じゃあ俺にふさわしい名前を付けてくれよ」


それを聞くまでもなく少女は既に考え込んでいた。


「おばけ...ファンタスマ...ファンタ...ファマ...うん!決めた!

今日からあなたは"ファマ"よ!ファマ・ホワイト!

ファマは白くて丸い見た目してるし、ピッタリよ!」


...今サラッと俺の見た目について言及していなかったか?


「私の苗字がホワイトでよかった!あとでパパとママにお礼言わなきゃ!」


今更だけどそういえば自分の容姿に目を向けていなかったな

よく見ると...これが手か?


そして今気づいた。俺浮いてね?

地面から足が浮いてる。いや足があるか自体怪しい。


「ファマ?どうしたの?」

イヴが少し心配そうに聞いてきた。


「俺...白くて丸い見た目してるのか?」


イヴが安心したように、そして嬉しそうに

「うん!白くて丸くて、ふわふわしててかわいいよ!」


可愛い...か。俺はてっきり人型だと思ったんだが...

なんというか、可愛いと言われて少し複雑な気分だ。


それはそれとして今日から俺の名前は"ファマ"か...

正直すごく安直な気がするが、俺はそれでも凄く気に入った。


「俺、ファマって名前気に入った!これからよろしくなイヴ!」


イヴは凄くうれしそうに「うん!」と満面の笑顔を浮かべながら答えた。

転生幽霊第二話を最後まで読んでいただきありがとうございました!


今回は少女と出会った所までを描きました。

次回は少女家族と村について書いていこうかなって思います。


あと、世界観をもっと深く掘る話とかも追加したら結構面白そうだなって思ってます。


話とは別に世界観設定的なものも番外編で投稿出来たらいいなという希望的観測を呟いておきます(笑)

あらすじに関しては物語がだいぶ進んでいったら書く予定です。


次回投稿は未定ですがなんとなく構想はあるので期待しながら待っていてください!

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