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文学系

夢と夢

作者: 七宝

 意味を求めてはいけません。

 ガベジョラがこの街に来るのは今日で2回目だった。


 腐ったセメントをぶちまけたような色の道路にはショボイ建物が乳首みたいにピョコピョコ生えていて、そのへんにあるソーリ大臣のポスターには片っ端から「弁当」と落書きされていた。


「相変わらず辛気臭ぇ街だぜ」


 ラス2の赤ラークに火をつけ、スターの用意したアパートへ向かって歩き出す。

 煙を吐きながらガベジョラは嘆いた。たった数週間住むだけの部屋とはいえ、写真を見る限り人の住めるようなところではなかったからだ。壁が壁の色をしていないし、畳もビリビリのボロボロのズタズタになっているし、廊下にはうんこが落ちていた。そんな家にこれから向かうのだ。


「それにしても、リアルな夢だったな⋯⋯」


 ガベジョラは今朝、嫌な夢を見た。女子高校生をレイプして殺す夢だった。名前も顔も知らない少女だったが、今でも鮮明に顔を覚えていた。


「あ! めっちゃバターの匂いがする!」


 泥棒みたいなヒゲの生えた5歳くらいの少年が、繋いでいた母親の手を振り払って走り出した。


「ここかぁ!」


 水田に手を突っ込み、泥の中を探る少年。その拍子に跳ねた泥により、ガベジョラのズボンの前面がダルメシアンになった。


「スミマソン! うちのムスコがスミマソーン! 略してスミソ」


 コンクリートにもかかわらず何度も土下座で謝る母親にガベジョラは「いえいえ、子どものすることなんでね、死ね!」としか返せなかった。


「じゃじゃーん!」


 少年が勢いよく手を引き抜いたと同時に、100グラムほどの泥が宙を舞った。少年の手には1匹のジャンボタニシが握られている。


「またかよ!」


 バックステップで直撃は免れたものの、ズボンがよりダルメシアンになってしまった。


「すみそ! すみそ!」


 秒速4回の高速土下座に為す術がなくなったガベジョラは「いえいえ、子どものすることなんでね、殺すぞ」と言うことしか出来なかった。


 カリッロッコォンガッコッコガリガリッコアロンアルファア⋯⋯


 少年の方から咀嚼音が聞こえる。そして、手にあったタニシがない。


(けぇ)るぞ」


 母親は鬼のような形相で少年の頭部をひっ掴むと、ぬたぬたと歩き出した。


「おじさんありがとー!」


 引きずられる中、THE SUNのような眩しい笑顔でガベジョラにサムズアップする少年。


「バターの味はしたか?」


 そう言ってグワシ戦闘機で応えるガベジョラ。


「うんこの味がした!」


「そりゃ良かった」


 少年の姿が見えなくなったところでガベジョラは最後のタバコに火をつけ、また歩き出した。


「あの!」


 コンビニの近くまで来たところで、突然後ろから声をかけられた。ガベジョラが振り返ると、そこにはセーラー服を着た見覚えのある少女が立っていた。


「歩きタバコやめてください! やめてくれなきゃ無理やり奪って捨てますよ!」


「そんな⋯⋯!」


 ガベジョラは固まってしまった。


「え? あの、大丈夫ですか? そんなに口からタバコ離したくないんですか?」


「いや⋯⋯そういうことじゃ⋯⋯」


 ガベジョラはこの少女を知っていた。今朝の夢に出てきた、彼がレイプして殺した子に瓜二つだったのだ。


「とにかく、タバコの火消してください!」


「ああ、分かった⋯⋯」


 ようやく我に戻ったガベジョラは、咥えていたタバコを口の中に引っ込め、数回咀嚼して飲み込んだ。


「やば」


 殺人現場を目撃したような顔の少女。


「安心してくれ、口の中でタバコの火を消すのは昔から慣れてるんだ」


「なら安心」


 安心した少女の顔はなんというか、超めちゃめちゃスーパー可愛かった。が、ガベジョラは朝のことを思い出して申し訳なくなり、やや俯いた。


 そうして目線を下ろしたことで、彼女の両手が目に入った。左手には黒いカバン、右手には齧った跡のあるカマボコが握られていた。


「朝飯カマボコなのかよ」


「とにかく、もう歩きタバコはやめてくださいね。これからは⋯⋯」


 彼女はそう言うとカバンを足元に置き、空いた左手でカマボコをひっ掴んだ。


「んっ」


 彼女は手に力を込めると、カマボコをベリベリと板から引き剥がした。


「はい、どうぞ」


 まばらにカマボコの残った板を差し出す女子高校生。やはり夢で見た彼女の顔そのものであった。ホクロの位置まで全く同じだったので恐ろしく、ガベジョラはまた固まってしまった。


「早くしないと冷めますよ」


 板をゆらゆらさせながら彼女は言った。


「あ、ありがとう⋯⋯?」


 板を受け取ると、彼女はカマボコを咥えながら駅のある方角に走っていった。


 ガベジョラはこのカマボコ板の意味が分からなかった。とりあえず歯でこそげ取って食べてみると、なんとなくプリっとしているような微かな弾力と、薄めの魚介の旨味が口の隅っこにだけ広がった。


「カマボコ、うめぇなぁ⋯⋯でも俺、ちくわの方が好きだな」


 そんな独り言を言っていると、少女が走って戻ってきた。


「あの、言い忘れてたことがあって」


「なんだ? カマボコは返さねぇぞ? もう食っちまったからな。返せるとしたらこの青トマトくらいだ」


 ポケットから青色のプチトマトを取り出して少女に見せるガベジョラ。


「お兄さんおもしろーい!」


「面白いのはお前だろ」


「言い忘れたことはですね、その板のことです」


「この板がどうかしたのか?」


「はい。その板はまた今度会った時でいいですからねって言うのを言いたくて」


「え、これ返すのか?」


「もしかしてお兄さん、出前のお皿とか桶とかネコババする人ですか?」


「しないけど、カマボコの板は普通捨てるだろ」


「お兄さんと間接キスするためですよ!」


「えぇっ!?!?!?」


 突然の告白に理解が追いつかないガベジョラ。


「もう、言わせないでくださいよ!」


「いや、でも、普通ペットボトルとかじゃないか? カマボコ板で間接キスは変だしキモイだろ。ていうか俺、嵌められてる? お前みたいな女子高生が俺と間接キスしたいなんて有り得ないよな?」


「嘘じゃないです! 私、夢に出てきた人に惚れちゃう体質なんですけど、実は今朝、夢でお兄さんと会ったんです。って言っても信じて貰えませんよね、はは⋯⋯」


「いや、信じる」


 ガベジョラは1秒で信じた。当然である。


「え!? 信じてくれるんですか!?」


「ああ。信じるどころか、パニックになってるよ」


「どういうことですか?」


「実は俺も今朝お前の夢を見た」


「えぇーっ!?!?!?」


「だよな、ビックリだよな」


「で、で、で、で、その夢でキキキキキスとかしてませんでした⋯⋯?」


「⋯⋯してた」


 夢の中で、無理矢理していた。


「どんな夢だったんですか」


「⋯⋯あんまり覚えてねぇんだ。普段からほとんど覚えられない体質なんでな」


 ガベジョラは嘘をついた。彼女との行為は全てしっかり彼の脳裏に焼き付いている。実際に体験したんじゃないかと、未来を見てきたんじゃないかと思ってしまうくらい鮮明に覚えている。


「これって、奇跡ですよね」


「ああ、それか凶兆か⋯⋯」


「えっ、なんでですか?」


「いや、なんでもない」


「あの⋯⋯」


「なんだ」


「もし良かったら、お兄さんの家に行ってみたいなー⋯⋯なんて」


「さっき会ったばかりの俺の家にか?」


「今朝夢で会った時に恋しちゃったので⋯⋯」


「キュンっ」


 潤んだ目で見つめる少女の顔が、ガベジョラの心を一瞬で掴んだ。


「しょうがね⋯⋯あっ、ダメだ」


「えっ」


 今日からガベジョラが住むのはこの世のものとは思えない、人間の住むような部屋ではない。それを今、彼は思い出したのだった。


「じゃあ、私の家に来ませんか! ひとり暮らしなんです!」


「高校生でひとり暮らしか、すごいな」


「来てくれますか!!!」


「ああ、世話になる」


「えっ? 住むつもりなんですか?」


「ん? ああ、そうか」


 家に行くとか来るとか言う話をしていただけなのに、なぜか住むと勘違いしていたガベジョラ。


「いいですよ、お兄さんなら!」


「マジで!?!?!?」


 ガベジョラは嬉しかった。鼻が曲がるのが確定していたあの部屋に住まなくて済むからだ。


「行きましょ行きましょ!」


「そういえばお前、学校向かってたんじゃないのか?」


「大丈夫大丈夫、行きましょ!」


 何が大丈夫なのかガベジョラには分からなかったが、本人がそう言うならまぁ、とついて行くことにした。


 とその時、ガベジョラのスマートフォンが鳴った。スターからだった。しかし、ガベジョラは出なかった。


「電話出ないんですか?」


「ああ、迷惑電話だったからな」


 また嘘をついた。少女の前でスターからの電話を取るわけにはいかなかったのだ。


「そういえば名乗ってませんでしたね、私アンジェリンコ・ベンジョリンコって言います」


「ベンジョリンコか、じゃあベンジョでいいな」


「お兄さんは?」


「俺はガベジョラ。ガベジョラ・ザンビャッツだ」


「じゃあベジョって呼びますね!」


「マスコミの悪意ある切り取りってこういう奴がやってるんだろうな」


「それはこっちのセリフです! 私はやり返しただけじゃないですか!」


「はは、そうだな」


 しばらくしりとりをしながら歩いていると、またガベジョラのスマホが鳴った。


「さっきの人ですか? しつこいですね」


「ああ、困ったもんだ」


「着信拒否したらどうです?」


「そうだな、考えとくよ」


「いや」


「ん?」


「今でしょ!」


「久しぶりに聞いたなそれ」


「そういえばベジョさんはお仕事何してるんですか?」


「仕事か、そうだな⋯⋯まぁ、アレだ。近くの工場で働いてる」


 ガベジョラはまた嘘をついた。本当の職業は殺し屋である。


「近くに工場なんてないけど」


「そんなことあるか!?」


 工場のない街など聞いた事がなかったガベジョラは焦りを見せた。


「本当は何のお仕事してるんですか?」


「アレだよアレ、あの〜」


「アレアレ詐欺ですか?」


「なわけないだろ! アレだよアレ!」


「殺し屋ですか?」


「そう! ⋯⋯あっ」


 ベンジョリンコの勢いに乗せられてつい口を滑らせてしまった。


「本当!?」


「嘘だ」


「本当ですよね。実は私が見た夢の中でベジョさん、殺し屋だったんですよ」


「そうか⋯⋯」


 ガベジョラは自分が殺し屋であることを認め、ベンジョリンコの見た夢を詳しく聞いた。

 なんでも夢の中で彼女は政治家で、殺し屋であるガベジョラと恋に落ちたというのだ。


「自分は政治家じゃないのに、俺のことは殺し屋だと思ったのか?」


「将来の夢が政治家なので。ちなみに、ベジョさんの夢はどんな夢だったんですか?」


「それは言えない」


「なんでですか!」


「お前が傷つくからだ」


「大丈夫なんで、言ってみてください」


 少し悩んでから、ガベジョラはゆっくりと全てを話した。


「なんだ、そんなことですか」


「そんなことって、レイプされて殺されたんだぞ!? なんとも思わないのか!?」


「いや、そりゃいい気はしませんけど、夢は夢でしょ。だからそんなことで悩んでたんだなって思って」


「じゃあ、ただの奇跡だったってことか? 何も悪いことは起こらないと?」


「当たり前じゃないですか! そんなのハンタジーの世界の話ですよ!」


 ファミマのことをハミマ、レモンティーのことをレモンチーって言うタイプだな。とガベジョラは思った。


「ベジョさん、喉渇きません? レモンチー飲みたいな」


「ハミマ行くか? 俺もタバコ買いたい」


 なんだかんだ似た者同士の2人。ハミマで各々買い物を済ませると、また歩き出した。


「なぁ、まだ歩くのか?」


「もうすぐですよ」


 ガベジョラは嫌な予感がしていた。この地点からもうすぐのところに、スターが用意したあの部屋があるのだ。


「ここです」


「oh......」


 予感は的中。しかも、ガベジョラの隣の部屋だった。


「どうぞ入ってくださいな!」


「お邪魔します⋯⋯」


 恐る恐る入ってみると、壁は壁の色をしていて、畳が畳の色をしていて、廊下にうんこが落ちていなかった。


「廊下にうんこが落ちてない⋯⋯」


「なに言ってるんですか?」


 隣の部屋とは思えないほど、ガベジョラの部屋とは違っていた。中でも1番大きな違いは、冷蔵庫が2つあることだった。


「冷蔵庫が2つある家なんて初めてだ」


「そうですか? そんなに珍しくないと思いますよ」


「そうなのか?」


「はい。⋯⋯あの、冷凍庫だけ開けないようにお願いしますね」


「ん?」


「お願いしますね」


「ああ、はい」


 返事はしたものの、ガベジョラは開ける気満々である。ベンジョリンコが眠ったあとで開けるつもりだ。


「あの、ダチョウ倶楽部じゃなくて鶴の恩返しですからね。裏返しじゃなくて、マジのダメなやつ」


「ほう⋯⋯」


 ここまでハッキリ言われるとますます気になるガベジョラであった。


 奥の部屋に入ると、中くらいのテレビがあった。その隣には、ベンジョリンコの家族と思われる集合写真が立っていた。


「ああ、これですか? 父のベンジョウンコと母のマンチョリンコと弟の田中(たなか)(さとし)です」


「えっ田中聡?」


「そうです。アンジェリンコ・田中聡です」


「す、すごい名前だな」


 実はガベジョラが驚いたのには別の理由があった。それは――


 プルルルルル プルルルルル


 スターからの電話だ。ポッケからスマートフォンを取り出し、「出る」ボタンを押す。


『俺だ。仕事は順調か?』


「今⋯⋯ターゲットの姉の家にいる」


『なんだって!? もう!? まだアパートに行くくらいしか時間経ってないぞ!?』


「ああ、行く途中でそいつに会って一目惚れされて今家に連れてこられたんだ。お前が用意した部屋の隣の部屋にな」


『なんだその怒涛の展開は!? しかもターゲットの姉貴がオンボロ荘に住んでるのか!?』


「ここオンボロ荘って名前なのか。スター、お前は酷いやつだな」


『仕方がないだろ、うちだってそんなに儲かってるわけじゃないんだから』


「それもそうだな」


『で、田中聡が帰ってきたら仕留めるのか』


「いいや、さっきも言った通りここは姉の家であって田中聡の家ではない。だからやつがここに帰ってくることもないだろう」


『そうか、まあゆっくり殺れよ』


「ああ」


 ピンポーン


 インタホンが鳴った。


「ハァーイ!!!⋯⋯あ! 田中聡じゃん! 朝から来るなんて珍しいじゃぁん!!」


 なんと、田中聡がやってきた。


「ちょっと用事があってね、めちゃくちゃ忘れてたんだけど、冷凍庫に釣り餌入れっぱなしだったの思い出してさ」


 冷凍庫。その言葉にガベジョラは胸が弾んだ。自分で開けなくて済むならその方がいいからだ。


「1年以上入れっぱなしだったわよ、早く持ってってよね」


 止める気のない様子のベンジョリンコ。


「臭くなってるかも⋯⋯」


 田中聡が冷凍庫を開けると、奥の方にサナギとゴカイが入っていた。


「じゃあ貰ってくわ」


「うん」


 冷凍庫を開けても特に何も起こらない。ガベジョラは不思議だった。てっきり死体でも入っているのかと思っていたからだ。


「田中くん」


 帰ろうとする田中聡をガベジョラが引き留めた。


「あなた、姉ちゃんの彼氏ですか? なんでいきなりあだ名?」


「あだ名?」


「僕の下の名前田中聡なんで、田中だとあだ名なんですよ」


「なるほど⋯⋯ところで、今日死ぬ予定はあるか?」


「ありますよ」


「そうか、じゃあな」


「さよなら」


 ガベジョラは思った。今日死ぬ予定の人間をわざわざ殺すことはないと。


「田中聡、死ぬんですか?」


「ああ、死ぬらしいな」


 心配そうな顔のベンジョリンコ。


「また生えてくるかな」


「どうだろうな⋯⋯ところで、冷凍庫はなんで開けちゃダメなんだ?」


「なんでもです! とにかくダメですから! 開けたら心中ですよ!」


「なら開けない方がいいな」


 さっき弟開けとったやん、という言葉を胸にしまったガベジョラは、タバコを持ってベランダに出た。


 屁をひとつ()ると、ライターを取り出し、火をつけた。その時だった。


 ベランダが爆発したのだ。屁が強すぎたのだろう。


 ごうごうと燃え盛る炎の中、ガベジョラはタバコを吸っていた。ベンジョリンコはレモンチーを飲んでいた。


『フンッ!!!!!』


 辺りに大きな声が響いた。


 同時に、天井から何かが落ちてきて、ちょうどベンジョリンコの頭に乗った。


 うんこだった。


「そうか⋯⋯そうだったのか」


 そう、このアパートは生きているのだ。あの写真に写っていたうんこも、壁の色も、全てアパートが生きているからこそのものだったのだ。


「頭にうんこ乗せてレモンチー飲めるかぁ!」


 ベンジョリンコはレモンチーを投げ捨てると、どこでもドアで宇宙へ行ってしまった。


 それから彼女が戻ることはなかった。


 ガベジョラは田中聡が開けなかった方の冷蔵庫の冷凍庫を開けてみることにした。


 中には新聞紙で包まれた白菜大のものが3つ入っていた。


「なんだ? こりゃ」


 新聞紙を開けてみると、そこには夢の欠片が入っていた。


「なるほど、そういう体質だって言ってたもんな」


 殺し屋であるガベジョラがショックを受けることはなかったが、なんとなく寂しい気持ちになったのでタバコを吸い始めると、隣の部屋のドアの開く音がした。


「あ!!!!!!!」


 聞き覚えのある子どもの声がした。


「めっちゃバターの匂いする!!!!」


 あのヒゲのガキだった。


「バター食わせろー!」ドンドンドンドン!


 ガベジョラのいる部屋のドアを叩きながら叫び狂う少年。


「酢味噌! 酢味噌! 息子が酢味噌!」


 野球の素振りみたいな音が聞こえるので、恐らくまた母親が高速土下座をしているのだろう。


 ガベジョラは「いえいえ、子どものすることなんでね、鏖!」と返したのであった。

 テレビの前のみんな! またガベジョラに会える日まで、良い子にしてるんだぞ〜!

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― 新着の感想 ―
[良い点] めちゃくちゃなようで物語には一本ぶっとい筋が通っている。 このポストモダンなポップ文学をもバカにして破壊しうるほどの破壊力は悪ふざけとの危うい境界の上に立ち、見たこともないような悪夢を彷彿…
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