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20話。魔王グリゼルダを弟子として育てる

 俺たちは、次の目的地に到着した。

 エルザの手下の男から聞き出した、荷車の通り道だ。


 エルザはグリゼルダの領地──旧魔王直轄領で採掘したミスリル鉱石を、聖王都まで運んで莫大な利益を上げている。

 エルザが旧魔王直轄領を侵略したのは、金のなる木であるミスリル鉱山を手に入れるのが目的だったようだ。

 その荷車を襲うのが、次の計画だった。


 荷車を奪って、エルザの手下のなりすまし、ミスリル鉱山に侵入する。

 ミスリル鉱山を奪われれば、エルザは激怒して襲いかかってくるだろう。

 罠を張って、それを返り討ちにするのが作戦だ。

 

 荷車を護衛するのは、エルザの手下の中でも手練だと聞いた。

 彼らは常に魔法障壁を張って奇襲に備えており、野盗などは、ことごとく返り討ちにされているらしい。


「なら、次に修得するスキルはコレだな」


『【イヴィル・ポイント】300を消費して、スキル【MPドレイン】を修得しました!

 300ポイントを消費して、スキルレベルがアップしました!

 スキルレベルがアップしました!

 スキルレベルがアップしました!

 【MPドレインLv5】になりました。

 周囲の敵から魔力を吸収して、消耗した魔力を回復できるスキルです』

 

 【MPドレイン】は魔法職であるなら、ぜひとも修得したいスキルのひとつだった。同時に魔法使い対策にもなる。


 これを【従魔の契約】を使って、グリゼルダとサーシャにも貸し与えた。


「おおっ、【MPドレイン】が使えるようになったのじゃ! なになに【MPドレインLv5】とな?」


 グリゼルダはさっそく自身のステータスを確認して、感嘆の声を上げた。


「【MPドレイン】もポイント割り振りで、スキルレベルがアップするみたいだ。スキルレベルが上がると、一度に吸収できる魔力量と、スキルの有効射程距離が上がる」

「ということは、極めれば魔法使いを無力化できるスキルですね! ありがとうございます!」


 強力なスキルを与えられて、グリゼルダとサーシャは、はしゃいでいた。

 俺は補足する。


「いや。これ以上、【MPドレイン】のスキルレベルを上げるためには、一回につき【イヴィル・ポイント】が500もかかる上に、吸収できる魔力量や有効射程距離の伸びが、極めて悪くなるんだ」

「そ、そうなのですか……ままならないモノですね」

「だから、強くなるための効率を考えれば、Lv5でレベルアップを止めておくのが、正解だと思う」


 【イヴィル・ポイント】の獲得条件は『闇属性クラスにふさわしい悪事を行う』という定義があいまいなものだが……これまでの経験からすると、どうやら光属性クラスの人間を攻撃すると、大量獲得できるようだ。

 聖教会と敵対する俺にとっては、実に都合が良い話だった。  


 しかし、【イヴィル・ポイント】が簡単に獲得できる訳では無い以上、割り振りは良く考えて行わなければならない。

 

「それに、【MPドレイン】は【従魔の契約】とのスキルコンボが、実に凶悪だと思う。3人同時に使えば、短時間で敵の魔力をからっぽにできるハズだ」

「おおっ! なるほど、すごいのじゃ!」

「そ、それは確かに……! 【MPドレイン】の弱点を補う使い方ですね!」


 ふたりは、しきりに関心していた。

 

「まだ荷馬車が来るまで、時間があるのじゃ。カイ様、わらわに闇の魔法【黒雷くろいかずち】を教えて欲しいのじゃ!」


 グリゼルダが、殊勝に頭を下げてきた。

 まさかの提案に、俺はちょっと驚いた。


「父上の旧魔王領を取り返すため。もう誰にも負けぬために、わららは少しでも強くなりたいのじゃ!」

「……グリゼルダは、どんな魔法が使えるんだ?」

「おおっ! わららは自己強化魔法と、火系統魔法が得意なのじゃ!」


 魔法に関しては、ほとんど白紙に近い状態じゃいか。

 これは教えがいがあるな。

 

 スキルだけでなく魔法も授けてグリゼルダを育成すれば、俺の右腕として申し分ない存在になってくれるハズだ。

 

「もちろん良いぞ」

「なんと! ありがたいのじゃ。」

「良かったですね。グリゼルダ様! カイ様から学べば、グリゼルダは完全無欠の存在になれます!」


 サーシャも大喜びしていた。


「うむ! きっと、父上も草葉の陰から喜んでくれよう。わららは最強の四天王を目指すのじゃ!」

「それじゃ、さっそく【黒雷くろいかずち】の詠唱を教えようか。多分、グリゼルダならすぐにモノにできるハズだ」

「やったのじゃあああ! カイ様の元で強くなったわららを領地のみんなに見せてやるのじゃ!」


 グリゼルダは大はしゃぎしていた。

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