表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
出来損ない皇子の成り上がり~聖痕のない第三皇子に転生したけど、今度こそ家族を守るために最強を目指す~  作者: おとら@7シリーズ商業化
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/255

楽しい時間が終わり……

 戦闘を終えた後、俺たちは屋敷に帰ってきた。


 もちろん、事後処理をする兵士達にはお礼を言ってある。


 俺たちは疲れ果てて、悪いが先に帰してもらった形だ。




「いやー疲れた……」


「拙者はまだまだ平気なのだっ!」


「ふぇ〜、カグラちゃんは元気だねー」


「僕はダメです……凄いや、カグラさんは」


「ふふん!領地で走り込みをしたのだっ!」


「いや、そういうレベルじゃないから」


「ほ、褒めてくれないのですか……?」


 錯覚かな?

 カグラの頭に犬耳が見える……。


「偉いね、カグラ。よく頑張ったね、僕も負けてられないや」


「ありがとうございます!今度、一緒に走りますか!?」


「ハハ……うん、そうしようかな。まずは体力をつけないとね」


「わ、わたしも……!」


「では、僕もですね……!」


「うん!みんなで強くなるのだっ!」




 その後、お昼ご飯を食べてると……結局、皆でお昼寝をしてしまう。


 起きた後は風呂に入って、さっきの戦いについて意見交換したり。


 お互いの出来ることなど確認したり。


 カグラにせがまれて、俺の舞いを軽く披露したり。


 セレナと魔法の撃ち合いをしたり、カグラはオルガと模擬戦をしたり。


 結局、 夕ご飯の時間までそんなことをして過ごすのだった。




 夕ご飯時になると、ゴーゲンさんも帰ってきたので共に食事をする。


「ゴーゲン殿、後始末をありがとうございます」


「いえ、某の仕事ですから。今回は、お疲れ様でした。見事な戦い振りでしたね」


「そう言って頂けると嬉しいです。ですが、まだまだ精進してまいります」


「某も、負けていられませんな……弱気にならずに、この地を守って見せましょう」


「ゴーゲン殿……僕の方でも、何かしら手を打っておきます」


「……感謝いたします」




 夕飯を食べ後、再び風呂に入る。


 その後は、部屋でお話タイムとなる。


「オルガ、ありがとね。とっても楽しかったよ」


「拙者もなのだっ!」


「わたしもですー」


「僕の方こそありがとうございます。久々にみんなに会えて嬉しかったです」


「おや?オルガがデレましたね?」


「オルガは、いつも遠慮をするのだ」


「でも、それが良いところです」


「……からかわないでください。みんながそんなだから、僕がしっかりしないと」


「いうね……そんな大人ぶった君には……こうだっ!」


 枕をぶん投げる!


「うわっ!?」


 顔面に当たったオルガが、布団の上を転がる。


「なんなのですか!?楽しそうなのだっ!」


 カグラが思い切り振りかぶっている……俺に向けて!!


「ちょっ——!?君のはシャレにならないから——!?」


「いくのだっ!アレス様のいけず——!」


「グハッ!?」


 渾身の力で投げられた枕が俺に直撃する!


「わたしも……!アレス様のいけず——!」


「ま、待って!君たち、意味わかってないよね!?うおっ!?」


 セレナからも枕を投げられ……。


「やりましたね……いきますよっ!」


 復活したオルガまでもが参戦してくる!


「げげっ!?多勢に無勢だよっ!君達!?僕、一応皇子様だからね!?」


「「「知りませんっ!!!」」」


「あら、息ピッタリ……じゃなくて!」


 結局、俺1人で奮闘することになったが……。


 ……非常に、良い時間となった。


 来週からの学校も、この4人で頑張っていこうと思う。


 あっ——ちなみに、女子とは部屋が別々だということを明記しておく。





 そして……夜が明ける。


「では、父上、母上。行ってまいります」


「身体に気をつけてね、オルガ。アラドヴァル家の男子として、己に恥じぬ行動をしなさい」


「はい!母上!」



「うむ、しっかりやるように。アレス様の力になりなさい。それが、我が家の意思だと思え」


「畏まりました、父上」


「いや、ゴーゲン殿……それは……」


「某が勝手に思っているだけですので。貴方は、お好きなようになさってください」


「……わかりました」


「お世話になったのです!」


「お世話になりました!」


「お嬢さん方もありがとうね。オルガ、どっちかはお前の嫁さん候補かと思ってたのに……」


「母上!?そ、それは……」


「息子には、まだ早かったようだな。オルガ、お前も跡を継ぐ身だ。自分で選ばないようなら、我々が決めてしまうぞ?」


「うっ……が、頑張ります……」


「せ、拙者には……あ、アレス様が……」


「わ、わたしには……あぅぅ……」


「ハハ……ミンナタイヘンダネ……」


 どうしていいかわからない俺は、乾いた笑いをするのだった……。




 ゴーゲン殿達に別れを告げ、馬車が走り出す。


 しばらく雑談した後、帰ってからの予定を決めることにする。


「さて……オルガはこのままうちに来るけど、2人はどうする?」


「行きたいのですっ!」


「わ、わたしも……」


「決まりだね。そうか……全員が揃うのは初めてか」


「お、お土産は何が良いですか?」


「おいおい、そんなに緊張しないでくれよ。友達の家に遊びにくる感じでさ」


「む、無理ですよ!?王妃様の自宅ですよ!?」


「ん?皇子様の自宅でもあるけど?」


「それは——もういいのです!」


「クク……嬉しいこと言ってくれるね」


「大丈夫ですよ、オルガさん。エリナさんは、平民のわたしにも優しい方ですから」


「そうなのだっ!拙者なんか、膝枕までしてもらったのだ!」


「そ、そうですか……よし、アラドヴァル家の男子として、アレス様の友として認めてもらわないと……」


 そんな会話をしている時……クロスから反応がある。


(キュイー!)


(どうしたの?……慌ててる?)


(キュイキュイ!)


(何かが、迫ってきてる……?)


(キュイ!)


(よくわからないけどありがとう。警戒してみるよ)


(キュイキュイ)


 ……さて、どういうことかわからないが。

 無視できることではない……。

 何もないなら、それはそれで良い。


「アレス様?どうしたのです?」


「怖い顔してますよ……?」


「具合が悪いでしょうか?」


「いや、平気だ。ちょっと、まってて」


 俺は責任者に、嫌な予感がすることを告げる。

 ブリューナグ家の古参騎士で、名前はダイスさんという。


「左様ですか……」


「信じられないのは、無理もありませんが……」


「いえ、そんなことはありません。意外と、そういうことは馬鹿に出来ませんので。わかりました、警戒をしておきます」


「ほっ……助かります」


 話のわかる人で良かった。


 さすがは、ブリューナグ家の家臣だ。


 さて……何が起きるのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ