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出来損ない皇子の成り上がり~聖痕のない第三皇子に転生したけど、今度こそ家族を守るために最強を目指す~  作者: おとら@7シリーズ商業化
最終章

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戦い

……慌てるな。


カイゼル本人が言っていたではないか。


どんな時も、冷静に。


戦場では、冷静さを欠いた者から死ぬと。


動揺を押さえ込め……!




見合うこと数秒……カイゼルが動く!


「ガァ!!」

「くっ!?」


裂帛の気合いと共に、剣が振り下ろされる!

速い! 俺が知るカイゼルよりも!


「ガァァー!」

「チッ! 避けるのがやっとか!」

「カァ!」

「……なめるなよっ!」


振り下ろされる剣が刀に触れる瞬間に——力を抜く。

そうすることによって、カイゼルの剣が地面に刺さる。


「ガ!?」

「甘い——火炎刃!」

「ガァァ!?」


俺の刀が、カイゼルを切り裂いた……ように見えたが。

さすがはカイゼル、咄嗟に下がってダメージを最小限にしたか。


「クク……それが、本来の奴の速さだ。私が若いころ、それはそれは強い戦士だった。今では、ただの老いぼれと化したがな。だがアレスよ、お主もやるな。その状態のカイゼルと渡り合えるとは」


「カイゼルに何をした?」


「簡単なことだ。お前の目の前でバケモノになった男がいただろう?」


「……ザガンか」


「そうそう、そんな名前だったかな? ともかく、そいつには女神の血を飲ませた。適合しない者はバケモノに、適合した者は天使となる」


なるほど……戦場にいた天使とバケモノの違いはそれか。


「それをカイゼルに飲ませたと?」


「ふむ……間違いではないが。それを薄めに薄め、バケモノにもならずに天使にもならないように調整した薬を打った。天使もバケモノも強力だが、私の言うことを聞かん。それに、本来の力を失ってしまう」


「……女神の力を吸い取ったと言ったな? つまり……女神の血を飲ませた者を従えることができると? そこまで計算して、その薬とやらを開発したということか」


「概ね正解だと言っておこう。完璧にではないが、ある程度はな。うむ、相変わらず冷静だ。そして、頭も回る。あの時を思い出す……クク、そうでなくてはな」


「だからか……カイゼルが、お前の言うことを聞いているのは」


今も、ターレスの側でじっとしている。

……そこは、俺の場所だ。


「クク、そう睨むな。まあ、そういうことだ」


「ザガンは、お前の身内では……貴様には今更か」


「ああ、その通り……おっと、ついでに紹介しておこう」


すると、後ろの扉から……見知った顔が現れた。

でかい図体の割に、気弱な雰囲気。

おどおどしながら、俺を見つめている。


「……エルバ?」


「どうも、アレス様……」


そこには、学生時代を共にしたエルバがいた。

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