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解明

 周りにいた刑事から許可をとり、式は現場の中に入った。

 もちろん不用意に触らないことが約束となっている。


「それで、ここで何をするの?」


 一緒についてきた春崎が尋ねる。


「加藤先生の行動をなぞってみようと思う」

「行動をなぞる、ですか」

「うん。この殺人で不可解なのが、なぜ加藤先生がずぶ濡れになっていたかなんだ。これを解くには加藤先生と同じ行動をとってみればいいのかなって思って」


 式はトイレの入り口前に立った。


「まずはトイレの中に入る」


 入口のドアは開けっ放しなので触らないようにする。

 式は女子トイレに入り、そのまま一番奥の個室へと入って行った。


「加藤先生が使った個室は多分ここだ。その理由は水たまりが出来ているから。ということは、加藤先生はここでずぶ濡れになったのかもしれない」


 では、ここでずぶ濡れになる理由は?


「ここでずぶ濡れになることで、一体何が起こるんだ……」


 式は考え込む。


(ここで加藤先生がずぶ濡れになったことはほぼ間違いないと思うんだけど……)


 そこで式はあることに気が付いた。


(加藤先生はトイレに来ているってことは、用を足しに来たんだよな。それなら、加藤先生はいつずぶ濡れになったんだ……)


 個室に入った瞬間にずぶ濡れになったのか、用を足している最中なのか、はたまた個室から出るときなのか。

 そして疑問はもう一つ。


(加藤先生はここでどうやってずぶ濡れになったんだ?)


 個室は鍵をかけてしまえば密室になる。この状況でどうやってずぶ濡れになったのだろうか。


「いや、違う……」


 式は上を見上げた。


「上だけは空いている。加藤先生が自分でずぶ濡れになったのならともかく、犯人が加藤先生をずぶ濡れにしたのなら、ここからやったんだ。でも高さがあるから、ここから水をかけたのならどうやって高さの問題をクリアしたんだ?」


 ここまで考えた式の頭に、一つの考えが浮かんだ。


(あっ、そうか! 確か前見たときにはあれがあったはずだ。あれを使えば、高さの問題はクリアできる)


 一つの疑問が解決したと思った瞬間、


「! もしかして」


 式は個室のドアを開け、そこからトイレの入り口を見た。


「どうかしましたか?」


 その様子を見た榊が尋ねる。


「わかったよ、榊さん。死体が濡れていたわけが」

「え?」

「これは人間の心理を巧妙に使っていたんだ」

「どういうことですか?」

「いたずらっ子を注意したんだよ」

「いたずらっ子?」


 式の言葉を理解することが出来ない榊と春崎。


「これで、加藤先生殺しの謎は解けた。後は佐野さん殺しの謎だけど……」

「そちらの方はどうなんですか?」

「まずは検視結果がでて死亡時刻がいつなのかがわからないと何とも言えないかな。それさえわかれば後は犯人や殺害方法も何となく検討がついているし、すぐに解けると思うんだけど……」

「なら、結果待ちですね」

「その間に、証拠を集めようと思う」


 式が榊と春崎に向かっていった。


「証拠?」

「うん。証拠さえ見つかれば、犯人は言い逃れが出来なくなるだろうし」

「でも、証拠がどこにあるのかわかるの?」

「これはあくまで俺の考えだけど、犯人は処分に困っている物があると思うんだ。それがどこにあるのかがわかれば、決定的な証拠になると思う」

「検討はついているのですか?」

「もし犯人がまだ処分をしていないのならば、あそこあると思うんだ。今から行ってみるよ」


 式は近くにいた刑事に


「すみません、ちょっと二点お願いがあるんですけど……」


 と尋ねた。


「何か?」

「まず、犯行が起きた時間に学校にいた三人をこの学校に残しておいてほしいんです」

「三上志穂、水元空、多田洋治の三人だね」

「はい。後もう一つですが、とある場所に行きたくて」


式はその場所を指定し、刑事に同行を願った。

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