タイムスケジュール
「本当ですか!?」
「まだ確証はもてないけど、もしかしたらって人が今思い浮かんでる」
「その人は一体……」
「俺の考えが本当に正しいのかを確認するために、昨日のタイムスケジュールをもう一度確認してみよう」
式は昨日の出来事を頭に思い浮かべた。
「昨日最後の授業が終わったのは何時だったっけ?」
「午後四時ですね」
「そこから部活動があって、俺たちも参加したよね」
「うん。それが終わったのが大体五時半くらいだったよね」
春崎も会話に参加する。
「そしてその後に掃除を行った」
「掃除を行ってからニ十分ほど経った後に、志穂ちゃんと空ちゃんが来たんだよね」
「彼女たちが来たときは、もう掃除は終わりかけていましたから、五分くらいで終わりましたね」
「それで私たちも解散したんだよね」
ここまでは共通の出来事だ。
「その後、俺は学校から出ようとしたら加藤先生に会った。二人はあの後何かなかったの?」
「私は特に何も。誰とも出会いませんでしたし、そのまま真っ直ぐ家に帰りました」
「私も特に誰とも会わなかったなー。でも買い物があったから、コンビニに寄ったりはしたけど」
「そっか……」
式は少し考え、
「俺たちと一緒に掃除をしていた二人と多田先生のその後の行動はどうなっているの?」
「ええと、空ちゃんが家に帰った後に家庭教師から勉強を教わっていて、志穂ちゃんは家に帰ってそのまま過ごしたようです。多田先生はその後すぐに他の先生方と同じように下校の見守りなどを行っていたようですね」
「なるほどね……」
その言葉を聞いた式は確信を持った。
「まずは加藤先生の殺人の謎を解こう。そうすれば、佐野さんの事件についても何かわかるかもしれない」
「具体的にどうするんですか?」
「現段階でわかっていないのが、何故加藤先生の死体が濡れていたのか、ってところなんだ。何故犯人は死体を濡らしたのか……」
その謎さえ解ければ、第一の殺人についてはほぼ解明できると式は言った。
「それを解明するために、もう一度現場に行ってみよう」
式たちは殺害現場へと向かった。




