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被害者の情報

「隼人さん、被害者の加藤先生について何か情報はないですか?」

「被害者の情報か。児童や教員に聞いてみたところ、普段は温厚な性格ではあるが、叱るときはきちんと叱ったりもするし、規律には厳しい性格のようだね」

「まさに教育者の鑑、といったところでしょうか」


 榊が感想を漏らす。


「少なくとも、児童や教員の話を聞く限りじゃ誰かに恨まれている、ということもなさそうだ。まあ本音を隠しているだけかもしれないが……」

「事件当時の加藤先生については?」

「当日は朝六時に登校。校内を見回ったり、本日の仕事の準備などを行っていたようだ。これはほぼ同時刻に学校に来た用務員の方からの証言だ。そして朝七時に職員室で会議。八時に朝礼が始まり、順次授業が始まる。午前中は書類のチェックや校内の見回りなどを行い、午後からは出張で学校を離れている。そして五時頃に学校に戻り、六時から七時頃に殺害されたようだ」

「五時から六時までの間は何をやっていたんですか?」

「校長室にいたようだ。誰かと一緒にいたわけじゃないから、その時間何をやっていたのかを詳しく知ることは難しそうだけどね」


 式は頭を回す。


「誰かと連絡をとっていたりとかは? 電話の通話記録なんかも調べたんでしょう」

「もちろん。しかし電話を使用していたのは午前中のみだ」


 式の質問は、あっさりと答えられてしまった。


「そうですか……。後は何か手がかりになりそうなものはないですか?」

「現時点ではこれくらいかな。もちろん今後も調査を続けていくつもりだけどね」


 そこで式は、先ほど中庭で見かけた不審な点を思い出す。


「そうだ、中庭にあった石が一つ無くなってたみたいなんですよ。花壇を囲うように置かれていた石が、ぽっかりと一つ空いていたんです」

「わかった。事件とは関係なさそうだけど、一応調べてみよう」

「お願いします」


 式は園田に礼を述べる。

 とりあえず現時点で手に入る情報はこれが全てだろう。まだ犯人どころか殺害方法すらわからない状況だが、しばらく待つしかない。

 式がそう考えていたその時、一つの報せが届いた。


「た、大変です!」

「どうした、何かあったのか」

「はい。この学校付近にあるアパートから遺体が発見されました!」

「何だって!」


 その報せは式たちを驚かせるには十分だった。

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