トンネル錬る
一つトンネルを
抜けていく
いくつ目のトンネル
だったのだろう
抜け目無い日々の
あの頑張りは
抜け殻の日々の
あの始まり
始めて抜けた
母の胎内からのトンネル
物理的な行動力は
偉大なる産みから生まれ
そして
知識という定められたモノで
忘れていく
経験から得た心
何かに疲れきって
何かを好きになって
感じる事は淘汰される
埋められたトンネルには
いつまで経っても
光は差さない
型破りの形すら
持ち得ない人間の
苛立ちで掘り進む
有耶無耶なトンネル
新しいバイパスが出来たから
スルーされる
あの笑い声を
トンネルの中では
誰も聞かない
誰も聞けない
一点突破なんて
カッコつけて
財布の中の小銭
地獄色に光る
揺れるブランコ
腐ったシーソー
馬鹿みたいなゴミ箱には
爆発物
トンネルの中の
僕等の秘密基地は
秘密にしたい基地
秘密にされた基地とは
カッコ良さが違う
始まりの中で生命トンネル
生きながらに埋もれる
人間トンネル
行動力を忘れて
トンネルを掘っては
その中に入って
生まれ変わりたいって
願いながら
先は見えず
後ろの明かりも分からず
何処へ抜けるのか
何をしていたのか
暗闇では
自らの手すら分からない
一点突破に縋る姿は
新興宗教みたい
形なんて
それぞれに用意されてる
それがこの世界
それがこの光
例えば
三方向へ掘っても構わない
それがこの世界
それがこの自由
あなたの為に
この世界は用意された
失敗の多い
実験室みたいな世界だけど
貫通式前の薄壁
最後の一撃のスコップ
あの光を見たら
悪くないと思えるんだ
あの光を見たら
涙が出るんだ
汚れた日々の
この頑張りを
抜け殻の日々の
この終わりを