どうやら地球は滅んだらしい
えー、殆ど初めてでとても緊張しております。
あんまり面白くないかもしれないけどよろしくお願いします!
__世界は崩壊した__
バリッバリッと歪な音をたてて。
空はひび割れ、闇を覗かせる。
その先にあるのはもう一つの世界。
膝を屈しそれを眺める青年は悟った。
自分は失敗してしまったのだと、もう取り返しがつかないのだと。
「は、はは」
乾いた笑いが口から漏れる。
それは絶望の響き。
諦めの感情。
__そして青年は世界と世界に押し潰され__
「…ん、ここは…」
目が覚めたら知らない天井だったっていうのは、よく小説とかにある話だ。だけど俺、相澤拓真の場合は少し違った。
「…天井がない…どころか、なにもない…」
白。
見上げたそこは一面白一色だったのだ。
俺は真っ白な床に仰向けで寝転がっている。…不思議なことに光源は見当たらないのに何故かここは明るかった。
「あれ…なんで俺制服なんだ…?」
自分の制服が制服で寝ていたことに疑問を覚えつつ頭を振る。
「俺、何してたっけ…」
まだ虚ろな頭で思い出す。
俺は特に特技もないごく普通の高校生だった。
…ああ、思い出してきた、俺は学校からの帰り道、オタク友達二人と一緒に話ていた、そしたら…突然何かがひび割れるような音がして…
あれ、その後どうなったんだっけ…
…思い出せない。
身を倒しながらボーっと考えていると機械音声みたいな抑揚の無い女性の声がどこからか響いた。
「__おめでとうございます、f系統20536番地球の方。貴方は世界を救う勇者に選ばれました」
…どゆこと?勇者?やっぱりこれって夢なのかな…?
「昨日午後6時20分12秒に全世界は崩壊しました。これより、貴方には世界の再生を賭けてゲームに参加してもらいます」
…世界が滅んだ?何言ってるんだ?今俺は生きているじゃないか、世界が滅んだなら俺も死んでるだろ…?あれ、でもここって何処だ?こんな真っ白いとこ知らないぞ。
「この後転送されるゲーム盤の座標の近くに貴方の他に四人、貴方の世界の選ばれし勇者たちも転送されます。貴方は彼らと協力しゲーム盤にいる他の世界の勇者たちを排除して下さい。」
…排除…?…それって…?駄目だ、頭が上手く働かない。他にも誰かいるって…?
「貴方たちの一人でも最後まで生き残り、それ以外の全ての世界の勇者を排除し終えた場合、貴方たちの世界は再生、復活を果たします。また、生き残った勇者にはひとつだけ願いを叶えることができる権利を得ます」
生き残る…?…死ぬ?俺の…願い?
「では、これより、貴方に相応しい職業と武器を与えます。ステータス、と唱えステータス画面を確認してください。その後、少ししたらゲーム盤へと転送されます」
…ステータス画面、まるでゲームみたいだ…?わかんないけど、とりあえず、やってみるか。
「…ステータス」
名前:相澤拓真 LV1
年齢:16歳
性別:男
出身:f系統20536番地球
職業:奴隷
筋力:9
敏捷:14
耐久:5
魔力:0
幸運:11
スキル:なし
装備:弱者の刃
「…え、奴隷…?」
次の瞬間、辺り一面白だった世界が歪み始めた。
白の世界に一点の穴が穿たれたと思うと、その穴に吸い込まれるように白は捻れ消えて行く。
それと一緒に俺は吸い込まれていく。
そして、俺の意識は途切れた。
「…それでは、いってらっしゃいませ、健闘をお祈りいたします」
頑張っていきます!