表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

6

 作戦は、こうだ。


 世に梅雨前線というものがあることは確かであるからして、ならば夏入り前線なるものがあることは当然の帰結である。それは、梅雨前線の例にもれず、基本的には、南から北、西から東に進行していく、右肩上がりの経路をとる。つまり、沖縄から始まり、北海道が終着駅である。


 だから、これから逃げる。


 移動手段には、自転車が採用された。俺はバイトの給料日前で、夏江は前日彼氏と飲んだ結果として文無しだった。そして、コンビニのATMは、朝、地方銀行の窓口を閉ざしている。


 自転車は夏江の持参だった。いかにも女子が乗りそうな小ぶりの自転車で、俺がサドルに座ると、金属製のフォルムが一瞬たわんだような気がした。が、夏江が後輪に立ち乗ることで、再び、たわんだ状態から持ちなおって、もとのフォルムをキープした。ように見えた。重心がばらけたせいだろうか。科学の神秘だ。


 とにかく、それで準備は整って。俺たちは夏から逃げることにした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ