表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

1

第1回なろう文芸部@競作祭 『キーワード:夏』投稿作品

 インターホンが鳴って、扉を開けると、そこに夏江が立っていた。大層面喰った。終電もとっくに終わって日付も変わったこんな夜更けに、何の用か。


 雨に降られたのか、頭から肩までじっとりと濡れている。傘を持っている様子もない。


「どうした」


 訪れた時刻といい、恰好といい、ただ事ではなかったが、俺がどうしたと訊いたのは、そういう意味ではなかった。


 我々は、互いに互いのプライベートに関わらない。それがサークルの不文律ではなかったか。俺たちの活動は、大学の中でも異端の部類に入り、個々人の関係性は秘する限り秘すのが望ましかったはずだ。


 しかし、夏江はそんな俺の疑問に斟酌の様子を見せない。


「泊めて」


 何かあったな、と俺は直感する。


「わかった。あがれ」


 濡れた前髪の向こうで、仏頂面がこくりとうなずいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ