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大学生の時間

作者: kuga

今から私が書き連ねる言葉の数々は、どこにでもいる大学一年生の独り言だと思って読んでいただきたい。


大学生になり立ての人ならではの悩みといいますか、一体自分はこれでいいのかと頭を悩ませる時があると思います。


ただただ繰り返される毎日に忙殺され、何をやっても面白みを感じない。サークルなんぞはもってのほかでございまして、バイトにおいては言うまでもありません。


高校時代には感じることなどなかったけれど、大人になったと言ったほうが良いのかもしれませんが、なにやら責任感といいますか、自分にはやらなければいけない使命のようなものがあると感じ始める人も多いはず。


だけれども何をすればいいのか分からないので、やはり毎日は変わりません。


自分が変われば世界が変わるなんて言葉がありますが、どうにも自分を変えるということは難しいようでございまして、結局私はこの変わり映えのない日々を送る他ないのです。


あれよあれよと気づいた時には、私は夏休みを迎えておりました。


短い期間ではあったけれど、夏休みを皮切りにして、いよいよ私はバイトを辞めることにいたしました。


さて、サークルにも行かずバイトにも行かずの私には、この夏休みという膨大な時間が酷く退屈なものとなってしまいました。


時間とは永遠ではなく一瞬のものでして、一月、二月とあっという間に過ぎ去っていく始末。


家にいるものの何もしない。勉学にも読書にも時間を割くことはせずに、私は俗に言うところの引きこもりとなってしまいました。


あと何週間かで夏休みが終わるという頃に、私はふと思いついたのです。


もうこの際だから、残り僅かの夏休みは全て漠然と過ごしてみようと。


何もしないと言いはしましたが、なにぶん実家住まいの身分ですので、やはり家事や食事など最低限のことはやっておりました。


しかし、もう私は決めたのです。


何もすることなく生活するのだということを。


両親共々私を非難しましたが、そんなことなどどうでもよくて、私はひたすら怠惰な時間を重ねていきました。


どうにも人間というものは、少なからずの暇な時間を過ごしていますと、自己のあり方といいますか、自己形成に勤しむことに没頭するようで、結果として様々な事柄を思案いたします。


そうしてたどり着いた私なりの結論は、働かざるもの食うべからずという言葉があるように、意味は大きくずれてしまいますが、確かに何もすることなく生きていますと、罪悪感に苛まれ食事が上手く喉を通らないのです。


ようやく最終日を迎えた頃には、私の体重はこれでもかと激減していまして、さすがの私も考え直すことにいたしました。


つまるところ私は、これからは日々を懸命に生きていこうと思えるようになったのです。


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