名無しの物語
ジャンルが分からん!
ノープラン作品です。ごめんなさいm(_ _)m
朝、優しく揺り起こされた少女。少女は母親に話し出しました。
ついさっきまで見ていた夢。
ほんの少し不思議な夢の話を──
目が覚めると、青い空が広がっていました。
(あれ?ここはどこ‥?)
辺りを見回してみても、草しか見えません。
どうして、こんな所にいるのかも分かりません。何より、身体が自由に動かないのです。
(どうなっちゃたんだろう‥私の身体‥‥)
とても、不安で仕方ありません。
そんな彼女に話しかけた青年がいました。
「知りたいか?」
(えっ…?)
彼女は不思/ら思っているだけなのに、どうして分かったのだろうと。
それでも、彼女は答えました。
(うん!知りたいです!!)
「そうか」
そんな返事の後、身体が持ち上げらました。
そして、連れて行かれた先は水たまりでした。
(‥っ!?)
彼女は、水たまりに映った姿に驚きました。
その姿は、くまのぬいぐるみのストラップでした。
チリンと、鈴の音が響きます。
(なんで‥?何がどうなっているの‥‥?)
彼女は呆然と、水たまりに映った姿を見つめます。
「‥‥」
そんな、彼女に青年は沈黙したままです。
彼女は、青年に尋ねました。
(あの…、私がこんな姿になった理由を知っていますか?)
「‥‥」
青年は沈黙を守ります。
鈴が風に揺れて、チリンと鳴りました。
(あのっ‥!)
「知りたいか?」
青年は、再び聞きました。
(知りたい‥‥です!)
「そうか」
青年は、彼女を手のひらに乗せたまま歩き始めました。
空が茜色に染まる頃、ようやく青年が足を止めました。
(ここは‥?)
見覚えのある交差点。たくさんの人と車で溢れかえっています。
(‥‥)
その中で、目を引く物がありました。
それは、枯れた花です。悲しそうに風に揺れています。
(あっ‥)
その時、彼女はすべて思い出しました。
誰かの叫び声。
遠くなる意識の中で、助けを求めて伸ばした手。
その先に、あなたが居た事‥‥
すべて思い出しました。
そして、別れの時間が迫っている事も‥‥
(‥‥‥‥っ!!)
夕暮れ時。彼女は、伝えたい事を言葉にしました。
それは、届くことはありませんでした。
夕暮れの街。少女は、迷子になってしまいました。
人通りがなく一人で途方に暮れていると、どこか懐かしい雰囲気を持った人を見つけました。
少女は追いかけますが、追い付くことはできません。
それでも、追いかけて
追いかけて
空に星が輝く頃、
少女は自分の家の前にいる事に気づきます。
さっきの人は、どこにも見当たりません。
少女は何もいない空間に呟きました。
「ありがとう」
その言葉は夜風がそっと、何処かへ運んで行きました。
ありがとうございました!