それは、お前が悪い
それは、お前が悪い
レオとセラの関係がバレた。クシェルとしては学園祭は乗り切れるなんて思ってなかったから仕方がないと思っていた。学園の王子様と裏の高嶺の花。噂にならないわけがない。
恋人をどうしたって守りたい友人に手を貸したつもりだった。だがまさかトイレまでついていけるわけがない。気づいた時には遅かった。レオが慌てて教室を出て行ったのは20分以上前。いくらなんでも遅すぎる。余計な手出しはしたくなかったがこれ以上は黙認できない。そう思い腰を上げた時、幽霊のように青ざめたレオが一人で戻ってきた。真っすぐにクシェルの元に向かって来る彼が持ち帰ったのが良い報せとは思えない。
「レオ、なにが……」
「クシェル……俺はこのまま振られるんだろうか。」
「は?何があったんだよ急に。」
「あの女ども……マンションのことと俺が手を出していないことを突いたらしい。俺も正直……セラがそこまで気にしてると思ってなかったんだ……近いうちに話さないといけないとは思っていたんだが。」
なるほど。この友人は本命には非常に一途なのだが見栄と怖がりが裏目に出たらしい。必死に我慢していたのを見ていた側としては気の毒だが。
「それは……お前が悪い。」
「分かってる……でも聞きたくないと言われたんだ。俺は……どうすればいいんだ……」
ここまで落ち込んでいる友人は初めてかもしれない。可哀そうだが哀れむわけにもいかないのが厳しい現実だ。
「そりゃ今の今じゃ聞きたくないだろうさ。でも話すしかないだろ。明日にでもなんとか聞いてもらえよ。」
「……聞いて、貰えるのか俺は」
「知らん。けど何もしないよりマシだろ。」
「……分かった。」
冷たく退屈そうな目をしていた友人が恋をして温かい男の子の目をするようになった。願わくば、上手くいって欲しい。
項垂れ、作業する幼馴染の背中に小さくエールを送っていた。




