美味しそうな横顔と、焦る心
美味しそうな横顔と、焦る心
「お兄ちゃん!次あの店入ろ!」
「はいはい。.....!」
ふと振り返って見えた姿に思わず固まった。
美味しそうにアイスクリームを頬張っているのは今まさにレオが振り向いて欲しいその人。
こちらを見ただろうか。だとしたら.....
腕を絡めてくる妹シャッツェルの腕を思わず振り払った。
「え、なにどうしたのお兄ちゃん。私何かした...?」
シャッツェルが不安げな顔になる。シャッツェルは可愛い妹だ。不安にはさせたくない。
「違う、お前は悪くない。俺の問題だから気にするな.....」
「私が彼女に見えたら困るの?」
「まあ.....もう遅いだろうがな....」
「え、好きな人?お兄ちゃん好きな人できたの?」
さっきとは一転、至極楽しそうなシャッツェルの声。
「声がでかい!絶対フェルに言うなよ。」
「ええ、あんなに女の子で遊びまわる癖に家には連れて来ず本命もいなかったお兄ちゃんが!?」
返す言葉もない。遊び相手を家に入れる気にすらならず、遊び用に借りているマンションで事を済ませていた身としては。
「お前な.....デザート奢らないぞ....」
「ひどーい。だってほんとのことじゃない。え、家に連れて来てくれるの?」
「もし上手くいけばな。」
「いってないの?嘘、信じられない。どんな人なの?」
「.....菓子と本にしか目がない女だ。」
「菓子ならちょうどいいじゃない!工場見学とか言って連れて来ちゃえば!
確かに妙案かもしれない。デートに誘っても来ないだろうが菓子なら来てくれそうだ。
「....妙案だ、シャッツェル。よくやった。服も買ってやる。」
「ほんと!やった!あたしもその人早く会いたい〜」
「余計なこと言うなよ。」
とにかく明日学校でこの誤解を解かねばならない。そもそも彼女が気にしているかなんて怪しいところなのだけど。




