デートでお洒落する理由
デートでお洒落をする理由
何を、着て行こう。あの声が聞こえなくなってから、そう考えるのが楽しいと思うようになった。花の庭園だから花柄のスカートにオフショルの薄手のニット。
メイクをして、アクセをつけて。私のものじゃなかったお洒落が、いつの間にか私のものになっている。
気にしていなかった髪も、綺麗にしたいなんて思うくらいには。
レオの反応を期待してる自分がいる。最近あまり会えてなかったどころかあんな喧嘩もしたばかりだ。思い出すと怖くなるのに、それでもレオに会いたいと思う。
着いたの言葉に外に出る。
期待通り耳を赤くしてくれて、照れたように笑ってくれて、欲しい言葉をくれる。
「セラ、最近どうなってるんだ?どんどん綺麗になる……」
「レオのおかげでお洒落するのが楽しくなったの。」
「おお……!なら今度は髪アレンジしてやるよ。早めに来て。」
「ほんと?」
「ああ。俺もお前に見合うようにならないとな。」
逆だと思う。レオは街にいたって目立つ。見合うようにならないといけないのはセラなのに。
「しかもお前これ、俺他の男に見せたくないって言った……」
「だってスカートに合うんだもん。おかしくはないでしょ?」
「おかしいどころか……はぁ、俺今日頑張れるかな……」
何やらぼやいている。このままじゃ出発できない。
「ね、行こ?」
「そうだな……」
車に乗るとじっとこちらを見ている。
「セラ」
押さえつけられる後頭部に飲み込むようなキス。見え隠れする欲は隠しきれないレオの欲が溢れているようで、それがなんだか嬉しくなる。
「ん……やっ……ぁ……」
「可愛すぎる。このまま、車から出したくない。」
「そんなことしたらデート行けないじゃない。」
「……分かってるよ。……行くか。」
どこか未練がましい雰囲気と共にレオはアクセルを踏んだ。




