初めての出勤
初めての出勤
会社とは。
何を着て、どんな礼儀をするべきなのか。工場にいた人は白衣を着ていた。どうせ上から白衣を着るなら動きやすい綺麗めな服で間違いないはずだ。
レオに聞いたってどうせ気にするなとしか言わない。
逆に気にするんだと今度文句を言ってやらなければ。
今までやっていた仕事は家庭教師だ。会社に出勤したことのないセラは、朝ごはんが喉を通らない程度には緊張していた。
時計を見るとレオがもうすぐ迎えに来る時間。あまり眠れなかったこともあって既に疲労感を感じている。
『着いた』
メッセージを目に外に出る。仕事に出るからだろうか。少しピリついた雰囲気のレオはセラを見て緩んだ顔を見せた。
「今日も可愛いな。」
いつも言われて嬉しい一言も今日はそんな気分じゃない。
「……レオ、私今日は緊張してるのよ。この服で大丈夫なの?」
「ん?お前は何でも……」
「よくない。私は働くの。特別扱いやめて。」
「……悪かった。服は問題ない。しばらく相手するのはグレータだけだから緊張もそうしなくていい。」
「……分かった。」
そもそも仕事を貰ったこと自体が特別扱いだ。これ以上、本当は他の社員と同じように扱って欲しい。
無言の車内でレオは、眉間に皺を寄せて悩んでいるように見えた。




