予期せぬ告白、触れた君の温度
予期せぬ告白、触れた君の温度
『私が、レオくんを好きになったら迷惑じゃない....?』
聞こえてきた小さな声に遂に幻聴が聴こえたのかと思った。セラが、少しずつ意識してくれていることは分かっていた。でもまさか好きとまで言ってくれるなんて。恐らくあの妹がきっかけだろう。憎らしい女だがこの件については感謝せねばならない。内心の狂喜乱舞を悟られぬようセラを抱きしめた。華奢なその身体は大事にしてやらないと壊れてしまいそうなのに、震える手が背に回されるともっと強めて、触れたくなってしまう。
見上げたセラの上目遣いに耐えられなかった。
短く落としたキスはせめてもの理性だ。早くに手を出して遊びだと思われたらたまったものではない。
「可愛い....」
漏れ出る本心にセラが赤くなる。追い詰めて、泣かせてしまいたい。自分にこんな癖があったとは。
「あの、レオくん」
「ん?」
「その、学校では秘密に....」
「.....仕方ないな。その代わり毎日屋上来いよ。」
「わ、分かった。」
今まで付き合った男はいるのだろうか。この初心な反応を見ている限りないような気はするのだがなんとなく気になってしまう。
時計を見れば授業の時間が迫っていた。名残惜しくてもう一度引き寄せてキスをして離してやる。
「レオくん.....」
「お前が名前呼ぶ度、おかしくなりそうだ。はぁ、授業行かないとな。」
「うん。」
ある意味ここからが本番かもしれない。上気した頬に潤んだ瞳で呼ばれる声.....
これから来る理性との戦いにため息を吐いた。




