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回帰前の世界のあの後は

 殿下は5歳位に前の記憶を思い出したそうで、この4年の間に色々画策をしていたらしい。


「毒対策に食器はすべて銀製にしたよ。それに毒に免疫をつけるように鍛えた」


 殿下は笑っている。


 グリーデン公爵家に手のモノを潜入させたり、側妃と王女に影をつけているという。


「私は回帰する前に神様から色々話を聞いたんだ。ベルは聞いてないだろう?」


 うん、私は聞いてないよ。


「実は正確には我々は回帰したわけじゃないらしい。我々が殺された世界はまだ存在していて、ここは別の次元の似て非なる世界らしい。神様達はパラレルワールドと言っていた。だから我々の動きであの世界とは違う結末にしてくれと言われた」


 パラレルワールドか。なんだかむずかしいな。


 私が首を捻っていたのが分かったようで殿下は苦笑いをしている。


「あの世界では続きがあるのですね?」


「あぁ、結局私は病死、君に毒を盛ったのが王女だと判明しなかったようだ。まぁ、父が手を回して揉み消したのだろう。アデライドは女王になり、ジェフリーは王配になったそうだ」

「あの時、ジェフリー様は泣いていたけど、私の敵討はしてくれなかったのですね。それどころか王配って? ジェフリー様は犯人が王女だと分かっていたはずなのに」


「ジェフリーは君とアデライドを天秤にかけていたからね。グリーデン公爵と側妃、アデライドが失脚すれば何食わぬ顔をして君と結婚するつもりだった。私が死んでアデライドが女王になれば王配になるつもりだったようだ。良いタイミングで君は消えた」


 ジェフリー様はそんな人だったの?


「ジェフリーは私の側近として、私が重体になってからは私の執務もしていた。父親も宰相だし、父子ともども風を読んで寝返ったのだろう。君の父親はジェフリーの父親と友人だったし、人が良いからまんまと利用されたようだな。君が亡くなってから真実を暴こうと頑張ったが邪魔になりノバック公爵に消されらしい。ジェフリーの弟が君の妹の婿に入り、クロフォード家はノバック家に乗っ取られた」


「ノバック公爵もグリーデン公爵とグルだったの?」


「そもそもはグルではなかったが、寝返った。まぁ、保身だろう。グリーデン公爵だけに甘い汁は吸わせないと言う感じかな」


 腹立つわ。父にも腹が立っていたが、ノバック公爵に利用されていて、結局消されたなんて……。


「まぁ、傀儡の女王の国なんて発展するはずもなく、ラッハキリト国に攻め込まれ、呑み込まれて我が国は無くなってしまった。アデライドも側妃もジェフリーも死罪になったらしい」


「結局、悪は栄えないってことですね」


「そうだな。そうそう、父上に上手いこと吹き込んでジェフリーをアデライドの婚約者にしといたから」


「ノバック公爵家共々一網打尽ですか?」


「さぁ、どうかな? とりあえず私が国王になり、この国を発展させるつもりだ」


 殿下は右の口角を上げた。


 私はとりあえず殺されないように頑張ろう。


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