兎にも角にも憂さ晴らし
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
かなり皮肉が混じってます。
主人公の口が滅茶苦茶悪いです。
お気を付けて下さい。
何かショックな事を受けた時の対処法。兎に角色々ある。物を食す。人と話す。好きなイラストを見る。どれも大正解。でも今は言葉の意味さえ狂うほどの激しいデスメタルが聞きたい。香水の硝子瓶を叩き割った手で胸倉を掴まれる様な歌が聞きたい。
部屋の隅に置かれた机と箪笥だけが置かれた殺風景な部屋のドアを閉めて、ヘッドホンを頭に被せる。流すメロディは決まっていた。
歪んだギターの音と、割れた歌声。歌詞さえ聞き取れない程の歌唱力に身を任せ、今日あったことを忘れる。余りにも刺激的。批判も中傷も歌詞にと共に混ぜ込んで、跡形も消し飛ばしてしまう。……あぁ……堪らない……。
「借りてたCD帰しに来た」
「あ゛?」
恍惚とした瞬間をぶち壊す様にドアが開けられた。もしかしたらノックの一つでもされたのかも知れない。けれども気が付かなかった。些細な事だ。この音の前では全ての騒音が。
不機嫌極まりない私の顔に怖気ずいたように顎を引く。顔には困惑が張り付いていた。あ、申し訳ねぇ。私は慌ててヘッドホンを外すと、大股で歩み寄った。
「ごめん。デスメタル聞いてた。なんか用?」
「ほれ、そのバンドのCD。嫌な事があったらその曲で流すのも良いけど、それに身を任せて当たり散らかしてたら、周りの奴らと変わんねぇ」
どうやらお返事の仕方が気に入らなかったらしい。冷めたような、軽蔑したような視線を寄越すと、持ち寄ったCDをプレイヤーに挟んで曲を流す。流れるのは喉を割くような 歌声ではなく、寂しげなバラードだった。媚び入る様な甘さを含んでいるのに、掠れたハスキーボイス。
「ミスったわ。許してくれろ」
「良いよ。これでも」
箪笥に凭れ掛かる様にして足を伸ばす弟の隣を陣取ると、欠伸を一つかました。
私が好きなバンドが風評被害を受けた。何の関係もないのに。ただ名前が似ているというだけで。憶測だけでものを語る奴らが気に入らなかった。最初は何一つ気にしなかったのに、スマホを開く度に目に付くから、何だかとっても疲れてしまった。
……本当、当人だけの問題なんだから、別の所に被害拡大させんなや。お前らそれでも作品のファンか?
「本当のファンなら騒がねぇさ。『彼奴の影がチラつくから歌うな』とか言う奴は、この歌を知らない奴だ。そんな陳腐な歌じゃねぇだろ? これも、デスメタルも」
その通り。風評被害如きで霞むメロディーじゃねぇんだよなぁ!!
寂しい部屋に兄妹二人。部屋を満たすのは、何処までも底の知れない甘い歌声だった。次はヘヴィメタ流そ。
女子ちゃん
憂さが溜まると好きなバンドの曲を爆音で流して、感情をグチャグチャにする癖がある。
まずメンタリティ壊す所から、強くなりたいのかも。
作品と作者は別モンという考え方。
お兄ちゃん
音楽性の嗜好が似ているところから、CDをよく借りる。
妹と自分の好きなバンドが風評被害を受けている事を知り、気遣って部屋の中へ。
何時だって芸術至上主義。
以下何でも許せる方向け
昔はこのバンドさん苦手だったなぁー。と。
友達から勧められた時、衝撃がデカすぎて脳がフリーズしました。今は好きですよ。
勿論、香水の瓶で殴りつける歌声をお持ちの方も。
気持ちが掻き回されて、色々飛びます。
聞く麻薬です♡ (褒め言葉です。これ以上ない)
作品と創作者は別物と考えてないと、この先沢山傷付く事があるだろうなぁ……。と思った今日この頃。
別モンですよ。作者から生まれた子供こそ作品なんで。
また違います。創作者とは。
久々に詠利ちゃん呼びたいですねぇ( ・∇・)
何時だって心に飼いたい子ですよ。