おれたちカチカチブラザーズ!
元の話と違う部分があります。ご注意ください。
ぼくは、うさぎだ。
ぼくはカチカチ山にすんでいて、山の草を食べて
生活しているんだ。
ぼくには兄弟がいる。弟とか、兄とかはちゃんと決めては
いないけども。実は、その兄弟は、たぬきなんだ。
長い間一緒にいて、ぼくたちは仲がいい。
たー、うー、ってよびあっているんだ。
どっちも、人間に親を殺された、というのもある。
だけど、恨んではいない。一緒にいることができれば、
いいのだから。
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ある日のことだ。
ぼくたちは、山で一緒に散歩をしていたんだ。
そしたらね、ぼく、襲われたんだよ。
ぼくが、たーから離れていた時だった。
脚を狙われたんだ。だからぼくは動けなくなった。
たぶん、猟師だろう。優しそうな人間だったんだ。
でも、動物へ向ける優しさなんて…ないんだろうね。
それでね、たーがこの時に見ていたらしいんだ。
だから、凄い勢いではしってきたんだ。それから、ぼくを
引きずって助けてくれたんだ。
そして、ぼくたちはすみかとしていた所へ帰った。
でもね、その日からたーは、変わってしまったんだ。
たーは人間を観察して、人間の言葉を勉強したり、
本を奪って、読みあさっていた。
戦争の本だったね。
それから、たーは人間の畑を荒らしていった。
人間の食料を途絶えさせる?だったかな…そんな事を
いっていたよ。ぼく、もう死んでるのにね…。
ぼくは止めようとしたんだ。このままでは、
ぼくの知っているたーじゃなくなってしまうと思ったから。
でもね、止まってくれなかったよ。だって、しゃべりかけることもできなかったからさ。
そしてね、たーは人間のおばあさんを殺したんだ。
なにも関係の無い人だった。
残ったおじいちゃんは、泣いていたね。
だから、ぼくは決心したんだ。
たーを、こっちの世界へ連れて行こうと。それしか、
方法がなかったから。
ぼくの死骸はすみかにあった。だから取り憑いたんだ。
少しの間しか、できなかったけどね。
たーはびっくりしていたよ。でも、ぼくは先をいそいだ。
まず、ぼくはマキをたーへ渡して、火をつけたんだ。
カチカチドリが鳴いているんだ、とか言ってね。
騙すのはこころ苦しかった。
でも、たーにはこれくらいしないと、自分のしたことを
わかってもらえないと思うから。
もう、たーには毛がなくなっていた。
痛々しかった。だからさ、これ以上懲らしめることが、
できなかった。
でも、たーをここにいさせるのは、たーの為にも
ならないと思った。
それで、ぼくは船にのせたよ。
泥の舟でも、木の船でも、どうでもよかったさ。
どっちも、こっちの世界へ来ることになるんだから…。
ぼくたちは、幸せに暮らしたかっただけなのに、
なんでだろうね?
それから、たぬきは悪さをしなくなった。