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命より大切なもの  作者: ラリックマ
幼少期編
5/14

環境

「やっと終わった……」


 アルクがルーマ先生のお説教から解放され、私たちは帰路についている。


「お疲れ!」


「……誰のせいだと思ってんだよ」


 ギロリとアルクが睨めつけてきたが、笑って知らんぷりをする。意外と根に持つ奴だな……。もう1時間ほど前の出来事なのに……。


「まあそんなことより、そろそろお前の誕生日だな!」


「あ、そういえばそうだったな……」

 

 話をそらすように、私は誕生日の話題を振る。


「確か……13歳だっけ?」


「あぁ、もう大人だな……」


 アルクは夕焼け空に目を向け、目を細めながらそんなことを言っていた。何言ってんだコイツ?

 

「何か欲しいのとかあるのか?」


「うーん、お前からもらえるものとなると……。いらない、どうせロクなものじゃないだろうから……」


 アルクは、はぁと思いため息をついていた。そういえば前のプレゼントに、虫の入った箱を渡した気がする……。


「まあまあ、次はちゃんとしたものだと思うから」


「思うってなんだ! ちゃんとしていると言う確証がないならいらん」


「ははは、じゃあケーキに虫入れよ」


「はぁ!? まじでやめろ! どうしてそう言う結論になった?」


 またも、はぁと思いため息をアルクはついている。


「なぁ、前から思ってたんだが」


 急に真剣な雰囲気になったアルクは、私の顔をジーと見た後に。


「お前ってなんでそんなに男勝りなの? 黙ってれば女っぽいのに……」


 そう言ったアルクは、私の長い髪の毛をサラッと触ってきた。


「ぽいとはなんだぽいとは。私は正真正銘女だ」


 アルクとそんな雑談をしながら歩いていたら、もう家までついていた。私は木製のドアを勢いよく開けると、


「私が男勝りなのは……」


「お、ナリアとアルク! もう帰ったのか。おかえり!」


 玄関には洗濯カゴを持ったアルクの父親が、忙しなく挨拶をしてきた。それを見た私は、アルクに向かって。


「環境のせいだろ」


 そんなことを言う。






















 

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