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命より大切なもの  作者: ラリックマ
幼少期編
14/14

悪いこと

 森の奥深くに、俺とニーチは足を運ぶ。この村にずっと住んでいる俺ですら、ほとんど来たことのない場所だ。

 ニーチは何も喋らず、死体と俺の顔を交互に見ている。


「よし、この辺でいいか」


 俺は立ち止まると、


「じゃあこの辺に隠すか……」

 

 近くの草陰に死体を置くように、ニーチに指示を出す。ニーチは言われるがまま死体を草陰に置くと、そのままじっと死体の方を見ていた。

 こういう時、どういう風に声をかければいいんだ?

 そもそも声をかけるべきじゃないか……。親を殺したような人間と、話したくなんてないだろう……。

 でも一つだけ、これだけは言っておきたいことがある……。

 

「ニーチ」


 俺は倒れた死体を見ているニーチの背中に声をかける。


「なん……ですか……?」


 ひどく(おび)えている……。もしかしたら自分も殺されるとか思っているのだろうか……?

 

「今回のこと、俺は悪いことをしたと思ってない。あのまま何もせずに傍観していたら、ナリアは殺されていただろうし……」

 

「そう……ですか」

 

「だから謝罪もしない」


「別に……求めてない……です……」


「そうか……」


 そんなやりとりをしてから、俺は来た道を戻ろうとニーチに背中を向け。


「それともう一つ。お前がその人の子供だってことをバラすつもりはないから」


 そんな言葉を言い残して、俺は村の方へと進んでいく。

 



















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