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1:失恋、キャンプ…そして拘束

ぬぉぉぉん、蒸し暑いから時代小説書いちゃったおぉぉん

戦国時代。

日本では約15世紀から16世紀末までに起こった大規模な内戦を意味する。

戦国時代の武将を言えば誰を思い浮かべるだろうか…。

一番有名なのは織田信長だろう。

織田信長を知らない日本人はほとんどいないだろう。

とりあえず戦国時代は織田信長が有名なので覚えている人が多い。


小さい頃から荒くれ者で叱責する際は相手の顔をボコボコにしたと言われているが、部下には義理深い人物だったとも言われており、人物像としては怒りやすいが非道ではなかったと伝えられている。

最近の時代小説や研究史では武芸を好んでいたとも書かれているし、ライトノベルや成年向けゲームだと女体化されていたりもする。

そして歴史の授業では以下の三名を覚えていれば日本史の授業をだいたいは切り抜けられると言われている。


開明的な経済改革を行ったり、キリスト教の布教を容認したり部下の浮気を咎めたりする愛妻家だが、敵対者には容赦なくデストロイを噛ます尾張の狂犬、織田信長。


資料によっては忍者ニンジャだったり農民の出身と言われるも、織田信長に仕える前の経歴があやふやで真相はいつも闇。

だけど織田信長の死後にその権力を受けついで天下統一を果たした豊臣秀吉。


そして、豊臣秀吉から嫌がらせをされるも、秀吉が死んでから嫌がらせされた倍返しの為に反乱を起こし、豊臣家と対立し関ヶ原の戦いと大坂の陣を制して徳川幕府を成立させた初代将軍徳川家康の三人だろう。


有名暴走武将 織田信長。

天下統一 豊臣秀吉。

江戸時代を切り開く 徳川家康。


こうして覚えたほうが分かりやすいかな。

私の場合はこれで歴史の授業は覚えた。

それ以外の武将で有名なのは武田信玄や上杉謙信。

川中島の戦いが有名だが、あれはドラマの影響で有名になったのかな?

たしか有名どころでいえば大河ドラマや時代小説で名将とも言える真田幸村とかが有名だね。


戦国時代を題材にしたゲームだと「信長の野心」とか「ヒストリー・オブ・ルネサンス」などの作品が有名だ。

信長が本能寺の変で死ななかった結果、日本だけでなく朝鮮半島や東南アジア諸国を統一して「大亜細亜連合王国」を設立するという架空戦記「アジアのノブナガ」も有名だな。

ではなぜ今、僕が戦国時代について説明しなければいけないのか?


答えは簡単だ。


よりにもよって僕はタイムスリップしてしまったからだ。


おまけに捕縛されている。

しめ縄をきつく縛られているので、ハイヒールと鞭を持った女性がやってきたらもう()()()系のあ~ん♡な世界になっちゃう、ヤバイ。

今置かれている状況のほうがもっとヤバイけどね。

シャレにならない。

冗談を言っている場合じゃない。

本当に。

槍とか日本刀ジャパニーズソードを持った侍が捕縛した僕をどうするか考えているらしい。


なんとか話は通じるけど話が通じない。

何を言っているのか分からないと思うが、言葉の内容が上手く伝わらないんだ…。

とりあえずなぜこうなってしまったのか…時を遡る事一週間前。


……☆……


「好きです、付き合って下さい」


「え…ごめんなさい、無理です」


夏の期末テストが終わった直後に、以前から好きだった大学の同じ学科の女の子に一世一代の告白をしたら見事に撃沈。

しかもその告白内容が女の子によって不特定多数の人達が見れるSNSにアップされて二重の意味で僕は死んだ。


「あの顔で告白とかwwwキモイwww」


「陰キャ乙www」


「まじ受けるwww」


周囲から「キモイ」だの「こんな手紙を送りつけることが許されるのは昭和まで」という痛烈な非難を受けて僕のメンタルはそれはそれは傷ついた。

ショックで大学の講義を欠席するぐらいには僕は大きく傷ついた。


失恋のショックで引きこもっていると、大学のオタク仲間が心配してくれてわざわざ下宿先のアパートまでやってきてくれたんだ。

持つべきものは友達。

その言葉に偽りなし。

友達は一つのチラシを見せてくれた。


「せっかくもうじき夏休みに入るんだから、ここに暫くキャンプでもしてリラックスしておけ」


『信濃サマーキャンプキャンペーン in 令和6年』


長野県で行われているキャンプ情報を寄こしてくれたのだ。

友達曰く、新鮮な空気を吸って嫌な思い出を忘れてリフレッシュしてきたほうがいいとの事。

二泊三日ぐらいのんびりしてこいと言ってなんとキャンプ道具まで貸してくれた。

キャンプは小学生の時にして以来だったが、せっかくなので僕はキャンプに行くことにした。

昨日東京からわざわざ車で4時間かけて信州の山に入り、キャンプ場に到着すると何故か殆ど人がいなかった。

管理人さんがいたので話を聞いてみると、今年はキャンプ場に熊が何度か出没したらしく、あまりキャンプ場にやってくるお客さんもいないとの事。


幸い熊は4日前に狩猟協会の人たちが仕留めてくれたらしく、安全性が確認されたので今日からキャンプ場が再開したようだ。

ほぼ貸切状態で僕はキャンプをすることにした。

一応野生動物が襲ってくるかもしれないから安全のためにとミリタリーオタクの友人から譲ってもらった軍用ライフル銃っぽい外見をしているクロスボウをケースに入れて持ってきているので、万が一熊が出没してもある程度は何とかなりそうだと思っていた。


それから僕は車の近くにテントを張って大好物のコンビーフとカップラーメンを一人静かに食べて虫の鳴き声が響き渡る自然を堪能してから爆睡。

ここ最近寝ていなかったことと、ウォッカとコーラを合わせたカクテルを飲んだ事もあってか熟睡を通り越して爆睡した。

それから朝になって突然テントの前で声がしたのでテントを出ると三人の侍がテントの外に待ち構えていたんだ。


最初はドラマの撮影かなと思ったよ。

戦国時代のドラマの撮影をよく信州でやっているという話を聞いていたので、もしかしたら大河ドラマの撮影が近くで行われていてエキストラ役の人がやって来たのかもしれないと思った。

そこで僕はまず初めに挨拶をした。


「…えっと…お、おはようございます」


挨拶は大事。

一先ずしっかりと礼儀正しく挨拶をする。

挨拶は基本。

オハヨウ、ゴザイマス!

これができれば大体は乗り切れるはずであった。

しかし、返ってきた反応は予想よりも酷いものであった。


「んぉ?!ちゃ、ちゃんと言葉が通じるけぇ!でも鬼かと思ったわ!」


「鬼じゃねぇズラ!鬼は人の言葉を喋れねぇと言われておるよ」


「んにしても背が高けぇなぁ…本当にお前はここらの者か?」


方言で若干聞き取りにくいが、鬼扱いされているようだ。

見ず知らずの人に対して鬼扱いとは大したものだ。

殺すのは最後にしてやる。

いや、でもここはキャンプ場のはず。

翌々考えたら大河ドラマの撮影をキャンプ場でやるとしたら事前に通達するだろうし、人避けを行うはずだ。


なのにそれをしていないのはどうもおかしい。

というか、周りの景色もテントから30メートル離れた場所に嫌に木々が生い茂ってきているような感じがする。

おまけに目の前にいる人達も身長が低めだ…150センチぐらいか?

いや、これは関係ない事だったかもしれない。

そうこうしているうちに真ん中で立っていた槍を構えていたおじさんが僕に尋ねてきた。


「しっかし、誠にお主は分からん服装をしておるのう…どこから来たんじゃ?」


「…東京の世田谷区から来ました。えっと…これはドラマの撮影か何かですか?」


「東京?セタガヤ?…ようわからん!ふざけてないでしっかり答えんかい!後ろの鉄の乗り物といい…どっから来たんか?」


「ですから、僕は東京からやって来たんです…いくらなんでも東京ぐらいは知っているでしょう…」


「だから東京ってどこじゃ!京から来たんか?!」


「京って…京都の事ですか?違いますよ!おもっきし関西方面じゃないですか!僕は関東の東京からやって来たんです!」


「関東の東京?…意味わからん事呟きおってに…しかし怪しい奴め…こやつ、もしかしたら間者かもしれん!暫くの間拘束させてもらうぞ!大人しくせい!」


「えっ、ちょ、ちょっと待ってください!うわぁっ!何をするんですか!」


いきなり侍に取り押さえられそうになって僕は抵抗した。

知らない人からいきなり取り押さえられそうになったら抵抗するなら当たり前だよね?

無論僕は抵抗しますよ、全力で。


「暴れんな!暴れんな!」


「こいつ凄い力持ちじゃけ!三人で抑えんか!」


「三対一で勝てるわけねぇ!大人しくせぇ!」


「やめろぉ!何すんだ!離せぇ!オラァ!」


僕は抵抗した。

しかし、三対一で勝てる筈もなく…。

羽交い締めにされた上に縄を縛られてあっという間に連れ去られてしまう。

そこで僕は確信した。

これはドッキリではないと…。

遠くに見える景色でキャンプ場から見えた筈の盆地にあった市街地…近代建築で出来たビル群が無くなっており、代わりに田んぼと畑が広がっていたのだ。

明らかにドッキリの域を超えている。

これは対応を誤ってしまったな…。

そして僕は土蔵に閉じ込められて現在に至るというわけだ…。

好評だったらつづく

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