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異世界狩猟物語  作者: 田島久護
竜の都編

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最終決戦前

 クニウスは再度変身し、僕も呪術法衣を纏ってクロウに突撃する。同じタイミングでクロウに拳を叩き込んだが見えない壁に遮られてしまう。だがクニウスは諦めずその壁をぶち破るべく攻撃を加え続ける。


これまでキレた振りをしたのを見た覚えはあるが、これは本当にキレて全力で攻撃していると分かる。僕はその思いに付き合おうと同じく攻撃を加え続けた。


「全然駄目だね君たち。強さもお行儀も何もなっちゃいない」


 クロウは心底呆れたような顔をして溜息を吐くと、握っていた手を開いた後でそれをこちらに伸ばして来た。そんな速度で捕まる訳ないだろうと思っていたが


「ぐっ!?」

「何だいその驚きは。まさか見えないのかい? がっかりだなぁその程度なんて」


 あっさりクニウスの首を掴み締め上げる。僕はその腕を蹴り上げようとしたが空いていた左手が伸びて来たが、動きと同じ速度では無いと踏んで飛び退く。


「良い勘してるね……流石先生も僕も見込んだだけはあるよ。君を素材としてこっちに持ってきたいから色々手の込んだ真似をした訳だし? これくらいは出来て当たり前だね」


 笑顔で恐ろしい言葉を吐く悪魔。その内容を考えたいところだが、今はクニウスを助けないと間違いなく殺される。無謀とは思うが再度攻撃を仕掛けようとすると、クロウはクニウスを放り投げて来たので受け止めながら僕は後退した。


「クロウ、後は私が」

「ああ、君まだ居たの?」


「危ない!」


 呑気に横に立った姉に対して警告をするも遅く、クロウは姉の首を掴んで邪悪な笑みを浮かべる。


「な、何を」

「もう用は無いんだよ君はさ。世界樹の成長に彼の覚醒、それとあの二人の呼び込み。それでもう役目は終わりなんだ」


「わ、私の実績を」

「実績!? 笑わせるじゃないか。君のは単なる人殺しだよ。そこに研究も追求も何もない。それにね、馬鹿じゃないの? ただ教科書を読んだだけの反魂法なんてプラモデルを作るのとは訳が違うんだ。それにも気付かない才能なんて魔術師会に腐るほどいる。生憎と犬を推薦するほど僕は疎かじゃあないんだよ」


 ニヤリとクロウが笑った瞬間、姉の首を絞めていた右手に黒い炎が現れ全身に燃え移る。金切声の悲鳴が部屋に響き渡ると共に焦げた臭いが充満した。


「おっといけないこのまま返したんじゃ彼の気が済まないだろうから、最後のお役目を果たして貰おう……かっ!」


 クロウは姉を窓の外へ放り投げた後、更に右手の黒い炎を球の形にして姉の飛んで行った方向へ放り投げる。暫くすると轟音と共に外が急に晴れた。


「さぁ勇者の皆! 最後の敵の御出ましだよ!」


  子供がプレゼントを貰ってはしゃぐような感じで小躍りするクロウ。常軌を逸してる姉の同類かと思いきや、更に上を行ってる人間が居てそれが神様やってるなんてこの世界マジヤバい。


「最後の敵はアンタよ! クロウ先生!」

「残念だけど君らじゃ僕には届かない……けど良いや、少し遊んであげるよ時間あるし」


 パルヴァの方へ右手を向けたので何か攻撃を仕掛けてくると思い、クニウスと二人でパルヴァの前に出る。それを何してるんだ? という感じの顔をした後口元を抑え笑うクロウ。右掌を地面に向け上に上げると、床からヨーハン博士が出て来た。


「ごめんごめん。この抜け殻を使おうかと思ってね。君たちのお役に立っただろう? 彼は」

「ヨーハン博士もアンタの差し金か」


「意図した訳じゃないけどね。ちなみに彼を追っていた男ももうここには居ない。元々命令に忠実な彼は僕や先生の研究を盗もうとしていたんだ。研究員としては有能だからこちらも都合良く使わせてもらってる。今後もこちらに害がないよう利用させてもらう」


 ベオウルフさんはヨーハン博士を追っていたから別れの挨拶を出来なくて残念だけど、ヨーハン博士がクロウに良いように利用されてるって知ってるのだろうか。


「それに乗り移って戦おうっていうの?」

「全然違うよ。彼は人体のレプリカを作るのも上手くてね。魂が無いと言う点以外人体を構成している全てを寸分違わぬ形で再現している。僕にとってはとても有り難い存在だ。まぁそれは兎も角、これを元手に」


 左手を同じように突き出すとヨーハン博士に瓜二つの人物が出て来てそこから次々と増殖、クロウを囲みぐにゃりと歪み膨張し始めるとくっつき粘土の様な塊となった。悍ましい光景の後、それは竜の形を成す。


「更に君たちが戦いやすいようにしてあげよう」


 竜はクロウの声色でそう言うと、姉を投げ捨てて割れた窓を更に壊して外へと出て行った。僕たちはラティをベッドに寝かせてから竜の後を追うべく外へ飛び出た。師匠に前もって空を移動する術を教えて貰っていたのでそのまま移動するもまだ慣れない。


一方クニウスたちは難なく空に浮き慣れた感じで移動し先を行かれてしまう。納得いかないなぁと思いながらもぎこちない移動をしつつその後を追う。


竜となったクロウは竜を模した影の眉間の辺りに移動すると、口を開けそれを吸い込み始めた。







 



読んで下さって有難うございます。宜しければ感想や評価を頂ければ嬉しいです。

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