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異世界狩猟物語  作者: 田島久護
竜の都編

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デラウン戦前

 こうして早速デラウンとネルトリゲル両取り作戦の準備にかかった。ルロイとギブスは最小限の兵とガノンさんマリアンヌさんにお任せし、モノイエにもいざという時の協力を依頼。ルロイとギブスほぼ全ての兵力を砂漠の町を経由し一気にデラウンへ攻め上がる。


補給線は砂漠の町とミジュの村に一個小隊を配置し必要な分を輸送して貰う。これに関して砂漠の町の兵士にモンスターに奪われないよう警備を依頼した。


春の行軍なのでし易くて助かる。砂漠を行くので体力の消耗は否めないが他の時期よりマシだ。四日前に砂漠の町へ全軍移動し町の直ぐ側でキャンプを張る。


ドルガさんから酒の席を設けるのでと言われたが是非買った後にと断りを入れ、逆にこちらから食料や水を提供し警備の依頼料を半分先払いした。


「良いのか? 先にあんなにやっちまって」


 ベオウルフさんにそう言われたがこれからお世話になるし全額では無いので約束を反故にする利点が無くなるだろうと思ってと言うと、確かにそれもそうだなと納得してくれる。


砂漠の町は過酷な場所にあるのでその日暮らしではないにしても一日一日が大事だ。ならば酒宴を断ったりこちらから先に色々提供するという対応は向こうとしても有難いのではと考えてそうした。


そして町に物資を入れる際も住民にも見える様に行うよう指示を出し上が反故しにくいようにもした。過酷な場所で一致団結し生きて行くには互いの信頼関係が何より重要で、同盟を結び良くしてくれる相手すら簡単に裏切るなら自分たちもいつか捨てるだろうなどと思われては立ち行かなくなる。


「ベオウルフに心配されるまでも無いさ。我らがリーダーは中々強かだぞ?」

「……やはりリーダーなどになるべきでは無いな。俺はそう言うのは苦手だ」


 司令部のテントで細かな作戦などの打ち合わせをしつつお酒を皆で飲んでいる中、イルヴァーナさんがぽつりとつぶやいた。最近元市長の回復の願掛けでお酒を一切止めていて意識は取り戻したものの後遺症の回復を願い引き続き止めている。


「何だ竜騎士団(セフィロト )の騎士団長を辞めたのを気にしているのか?」

「気にしてなどいない。勝負は勝負、決着のついた話だ……だが改めて思う。俺はそう言う器では無いのだ。奴らは見る目が無い」


「慰めにもならんだろうが、アイツらはそう言う戦法を元々取っていたのさ。それで信者になるなら良しそうでないなら捨て駒。第九騎士団と第十騎士団は信者から登用したが」

「上が変わろうとも下は練度も動きもブレないという考えは組織として見れば素晴らしい。兵士は国のものであって将軍や隊長のものではない。故に基礎となる法や共通した教典を作った者は尊重される。だが相手側からして見れば頭と体が別な状況は脅威にはならない」


「僕らは人間ですからねぇ。幾ら教典を読み込んでも命のやり取りをする現場で頼りにしても声は返ってこないし励ましてもくれない訳で」

「戦場に閣下が躍る。それだけで我ら兵士は神に続くような気持ちで敵に向かえます。例え相手が屈強で華美な装備を身に着けていたとしても負けるものかと挑めます。本ではそれを補えない」


「まぁそれを宗教でってのが竜騎士団(セフィロト )上層部の考えだったんでしょうけど所詮は宗教も本と同じ。現場で命の危機が訪れても祝福を与えてくれるのは死のみ」


 世代も生まれた場所も違うけどこうして集まって話すと面白い。テレビもラジオもインターネットも無い世界だけど相手の話を聞いたり自分の考えを話したりするのは飽きないんだなぁと思う。


そう言う人たちが集まっているのかもしれないけど、引きこもりだった時代には思いもしなかった。


「我らがリーダーにはデラウンでも躍動して貰い魅せて貰わねばならないネルトリゲルの失態もあるのだからな」

「……す、すいません頑張ります」


 僕がすまなそうにしょんぼりしながら言うと笑いが起こった。司令部のテントには基本僕とルナと玉藻そしてティアが常駐していて他の皆は近くのテントに控えている。


食事の時は意見交換なども兼ねて司令部のテントに集まり食事をしていた。ただそんな日々も直ぐに終わりを告げついにデラウンへと出陣の時を迎えようとしていた前日の朝、とても慌ただしい事態となりてんてこ舞いになる。


「え、なんて?」

「嫁に参りました」


 砂漠のど真ん中に不釣り合いな十二単。それこそ昔のルナを彷彿とさせるような恰好で佇む人が居て兵士が慌てて司令部のテントに駆けこんで来たので出向くと開口一番そう言われた。


「御久し振りです康久殿。私はサクラダの妹で御座います。以前は大変失礼いたしました。あれ以降月読命様のお力添えの御蔭で力を操れるようになりまして名も改め弥千代と申します以後宜しくお願い致します」


 いやぁ面白いほどに話が見えない。サクラダの身内は半分ほどこっちに戻って来たとは聞いていたけど妹さんも返って来ていたとは……で、何て言ってたっけ?


「すまんなうちのリーダーはあまりにも話が見えなさ過ぎて固まってしまったのだ。出来ればもう少し詳しく話して貰えないだろうか」








読んで下さって有難うございます。宜しければ感想や評価を頂ければ嬉しいです。

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