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異世界狩猟物語  作者: 田島久護
沿岸地域統一編

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戦から逃げること能わず

 僕は開始のゴングは鳴ったと解釈しイルヴァーナさんが喋り終わった瞬間から青白い炎を拳に纏わせ右足を引き両拳を突き出して上下に並べ気を素早く溜めて臍の下に集中し


「風神拳!」


 右拳を引いた後左拳を引くと同時に右足を突き出し地面を踏みしめながら右拳を突き出す。楽しそうに笑っていた竜騎士団(セフィロト )たちに直撃し後ろの方の兵士たちもギブス方面へと吹き飛ばした。

 

「……何だそれは」


 先ほどまで余裕だったイルヴァーナさんの顔が引きつった。何とか槍を地面に突き刺し避けたようだけどマントは焦げ鎧にもダメージがある。


どうやらデュマスロス兄弟から報告がいっていなかったのか聞いて居なかったのか分からないけど決まってちょっと安心した。イルヴァーナさんだけでなく竜騎士団(セフィロト )の圧にもやられていた味方の士気が少し戻ったのを背中に感じる。


この技の報告がいっていてイルヴァーナさんが真面目に聞き対策をされて居たらこうはならなかった。横に広がるよりも縦に多く並べていた所為か風神拳で大分数を減らせたのも幸運だった。


「よぉしおめぇらさっさと叩き潰せ! 大将が開けた穴を塞がせるなよぉ!」


 ガノンさんの気合の籠った声にうちの兵士たちも呼応し雄たけびを上げて竜騎士団(セフィロト )へ襲い掛かる。


さっきまで笑っていた竜騎士団(セフィロト )たちは顔を引きつらせ中には腰を抜かしたまま動けない者も居たのでこちらの動きに混乱して距離を取ろうと下がり始めた。


「お前たち落ち着け! 下がるな!」


 イルヴァーナさんは素早く立ち上がり怒鳴り声を上げると竜騎士団(セフィロト )たちはぐっと堪えて下がるのを止めた。


「貰った!」


 こんな美味しい状況は二度と無いだろうと思い僕はイルヴァーナさんを迂回して後方の竜騎士団(セフィロト )を追撃に入る。


浮足立った竜騎士団(セフィロト )はイルヴァーナさんの怒号で踏み止まり立て直そうとしたんだろうけど僕が高速で突っ込んで来て薙ぎ倒していくのを見て更に混乱を深めた。


そのまま下がって一息吐いた方がまだ良かったのに無理やりその場に留まって回復されるのを見逃すほどお人好しではない。この状況を考えると思い上がっているというガノンさんの言葉は的確だったのかもしれないなと思う。


「う、うわああああ!」


 竜騎士団(セフィロト )とは言え感情はあるしフラットな状態から交戦になればまだ信心とかで抑え込めたかもしれないけど、無敵に思っていたイルヴァーナさんが膝を着き避けた姿を見て動揺し且つ怒号で揺さぶられ僕が突っ込んで薙ぎ倒し始めれば恐怖もする。


イルヴァーナさんのパスによって竜騎士団(セフィロト )の精神状態はめちゃくちゃだ。第六騎士団と言えば組織でも上の方の集団に当たる。


命を懸けた戦場で負ける筈が無いと信じていた上司が不意打ちを喰らい取り乱せば竜神教(ランシャラ)に対する信仰心が厚くとも揺れた。


「お、己調子に乗るな!」

「シッ」


 竜騎士団(セフィロト )に手加減をする必要は無いしこっちが劣勢なので思いっきり行くしかない。次々におろおろしている騎士を吹っ飛ばしていく。


ただでさえ重い鎧を着ているのにそれで吹き飛ばされたら地面に直撃した時のダメージは凄まじいものになるだろう。緩衝材なんてものを仕込んでるとは思えないし全力で吹き飛ばしているのでそこそこ高く上がっているし。


「そこまでだ」

「おめぇがな!」


 背後に迫ったイルヴァーナさんと向き合うべく身を翻すもその背後にガノンさんが迫ってイルヴァーナさんはそちらとの対決に入った。


その場はガノンさんに任せて竜騎士団(セフィロト )を潰し続ける。確かに彼らの武器も防具も一流だし集団戦も上手い。


こちらがそれに付き合う必要は無いので周囲を素早く見て弱気になっている者、揺らいでいる者を真っ先に見つけ、その近くのまだ戦う気力のある者ややる気に溢れている者を潰していく。


どんどんそうやって潰していくと本能的に戦う姿勢を見せると攻撃されると感じ自然と気力が削がれていく。


更にまだ崩れていないもののやがて恐慌状態から逃走してくる者が出てくる。僕はそれを出す為に全力で動き回るだけだ。


「閣下!」


 イトルスの声に反応し風神拳を放って一旦距離を取る。振り返るとやはり兵力に差は如何ともしがたいのか僕の周囲から逃れたところでは押されていてこちらの被害も大きなものとなっている。


流石に一人でこれ以上の速度では倒せない。こうなったら奥の手を出すしかないのか?


「お前たち、ルロイ兵のみを倒せ! その化け物は各小隊長たちが行動を妨害せよ! 決して自ら戦おうとするな!」


 ガノンさんと槍を交わし合いながら指示を出すイルヴァーナさん。こちらが一番痛い所を突いてくる。それをやられてここを抜けられると一気に向こうは勢い付いてしまう。


どうしたら良い? 何とかイルヴァーナさんの指示に逆らうように仕向けなければ僕ら以外の全滅は免れない。そうすればここを切り抜けてルロイは崩壊する。


仮に切り札を切るとしても僕により多くの敵意を集中させなければ……彼らの怒りを買う方法……そう考えると答えは一つしかない。あまりやりたくは無いけどやるしかない。


「ブラヴィシに仕える竜神教(ランシャラ)信者が異教徒に背を向けて逃げて良いのか? ブラヴィシ以外のそれも人間を恐れて弱い者を倒して誇らしいのか?」

「迷うなお前たち! 我々は役目を果たせばそれで良いのだ!」


「異教徒から逃げて果たせる役割とは? 弱き者を甚振るのがブラヴィシの教えか!」











読んで下さって有難うございます。宜しければ感想や評価を頂ければ嬉しいです。

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