馬鹿の考え休むに似たり
そう思って考えてみたがなかなか良い考えが浮かばない。何しろコンビニに行けば調理したものが売ってるし時間になれば電車もバスも来る遠ければ飛行機に乗れば違う国にも行ける。
危ない奴が居たら警察呼ぶしあんな化け物が出たら自衛隊にお願いする他無い。あんな化け物を倒す方法なんて考えた事無いよ。
と、ここまでで今までは死んでいた。取り敢ず頭の中だけとはいえ嘆くだけ嘆いたのでどうにかしてここから生きて移動して安全を確保する方法を考える。
さっきの殻付きミミズのでかいのは、砂を叩いて居場所を知らせなきゃ恐らく僕の居場所は解らないんじゃないだろうか。となると後はあのフクイラプトルっぽいのだ。
アイツが僕を目指して来たとは考えられないんだよなぁ。ちょっとさっきとは少しずれた方向にゆっくり歩いていこう。それで来たら別の原因が、と考えて止めた。
もうどう考えてもフラグ立ってるっていうか立てたわこりゃ。絶対来るに違いない。
「ああ……やっぱり」
砂を叩いた訳でも無くただただゆっくり歩いただけで殻付きミミズが来た。この砂漠生き物が見当たらないから歩く音だけでも目立つんだろう。
と言うかこの二匹が食べつくしたか巻き添えになって死滅したんじゃないかって気がして来た。そして殻付きミミズだけがゆっくりと僕の方へと砂の中を移動し始め例のフクイラプトルもどきはこない。
憶測だけどあの強化ミミズが動いたのを感じとって森から出てきたんだろう。てことは少なくとも僕じゃないからあの殻付きミミズをどうにかすればいけるんじゃなかろうか!?
「もうこれしか今のところ思いつかない! やるしかない!」
僕は空を睨みつけながらそう吐き捨てるように言ってさっきと同じ方向に今度は走っていく。派手に足音を立てながら砂漠の中を疾走する。
憶測通りなら僕が逃げるのを追うために殻付きミミズは派手に追ってくるだろうし、フクイラプトルもどきはその動きを見つけて殻付きミミズを追う。
「キキキキキキキキキ!」
ジャガッザバッと砂の中を出ては入る音が近付いて来る。ヤバイめっちゃ速い! こういう変な世界に来たんだからオマケくらいあるだろ!
と思ったけどあの女神にそんな優しさは無いだろうと理解した。それに女神の加護なんてあるとしたら死ねないって点だけだろう。
「くそぉおおおおおおあああ!」
怒りも込めて死ぬ気で走る。ちくしょうちくしょうちくしょう! 僕は知っているあらゆる汚い言葉をここにいない女神に吐き捨てながら走る。
だがそんなものは何の意味もないと言わんばかりに、後ろから近づいてくる音はもうすぐそこだ。またか……また死んじゃうのか……。嫌だ痛いのは嫌だもう死にたくない殴られたくない。誰か助けて!
そう思った瞬間、あの忌々しい顔が思い浮かぶ。
――誰も助けてくれるわけないだろ馬鹿――
声を聞かなくてもわかる。そう言ってる絶対にだ。くそう! ちくしょう! 何とかここを凌ぎきってあの女神に一泡吹かせてやりたい! その思いが僕の足を強化したのか何とか引き離した。
「グァアアアアアアア」
歯が割れるくらい噛みしめている僕の前方に、例の巨体が突進してくるのが見えた。来た! やった! 今度こそ生き残れる!
その時嫌な言葉を思い出した。そうこれは死亡フラグというものだ。生きて帰ってきたらとかやったか! とかいうあれだ。完全なる油断。僕は何回死んだら学ぶのか。
自分に対してゲンナリしたけど最後の一瞬までやるしかない。そう覚悟を決め例え死ぬと分かっていても小さな光を信じて走り続けた。
「来た……」
後ろからは迫って来ていた強化ミミズ。前からは涎を垂らして突進してくるフクイラプトルもどき。祈りながらも走るのを止めない。
ヴェルダンディでも誰でも良い! 後少し、後少し時間とチャンスを!
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