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異世界狩猟物語  作者: 田島久護
ギルドに所属しました

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振り返りと昨日出会った人物と

「うぅ……」


 僕はハッとなり目を開けて飛び起きて周りを見る。誰も居ない。ギルドの借りている部屋だ……。自分の呻き声で起きたらしい。窓の外を見ると良い天気だ。日は真上に差し掛かっている。今日も暑くなりそうだ!


「って違う」


 自分自身に冷静にボソッと突っ込み小さく笑う。えーっと今は何時なんだろうか。取り合えずお昼前位だって言うのはわかった。状況を整理しつつ振り返ろう。僕の名は野上康久。二十歳のエリート無職だ。僕の趣味は天井の染みと畳の目を数えること。気が付けば見知らぬ世界に来ていて、死んだ筈なのに赤髪の女神に蘇らせられ罵倒される。


 その後僕は御爺さんが倒された復讐をする為に黒鎧と乱戦後、竜と遭遇し辛くも撃退。その後町に連れて行かれ、そこでも竜に遭遇。んで撃退したもののいざこざが起こって、そこの町の崇められてたっぽい被害者だったと思われる少女と共にデラウンに来た。


そこからギルドで依頼を受け続けて漸くモンスター退治の依頼が来たと思ったら、メインは薬草取り。冬の山は冬眠準備中の動物も多いので変わりに行くっていうものだった。その出発前に聞いた”傷が塞がらない患者”というのが引っ掛かりつつも急いで薬草を摘んで戻ろうとした。


「回想終わり」


 改めて振り返ると短期間に色々あったけど、今一番落ち着いてる気がする。デラウンに来てから仕事は忙しかったけど充実してた。まさか気を失うなんて。元の生活からは考えられない。


「遅い朝ご飯を頂きますかっと」


 背伸びをしながら僕は部屋を出て一階へと向かう。今日は久しぶりの休日なのかもしれない。こんな遅くまで寝ていた覚えが無いから。……いやそんな話は聞いてないぞ。て言うか最後に受けた依頼の完了報告とかマダムカトリーヌに聞こうと思っていた件とか諸々思い出せないっていうか記憶に無いのが可笑しい。


「あらお兄様御早い御目覚めで。良い夢でも見れましたか?」


 一階のカウンターに行くと振り返らずラティが何か飲みながら声を掛けてきた。威圧感マルどころじゃない。な、何故こんなプレッシャーを……!


「その夢の出演料を頂たいなぁ。私のお陰じゃない?」


 その隣で鎖を垂らして揺らしながらブラウンの髪の少年と思われる人が気味の悪い言葉を発した。床に御腹を付けて舌を出してる毛の無い犬可愛い。


「ミ、ミレーユさん。ぼ、僕はこっちで朝御飯を」

「あら冷たいのね昨日抱き合った仲なのに」


「そうですわよね」


 喰い気味で気味の悪い言葉を言うブラウンの髪の人とそれに同意するラティ。何にしてもこりゃ近付かないのが安全だわ。


「あ、あのー……」


 ミレーユさんが苦笑いしながら朝食を運んできてくれた後、空かさずカウンターの二人はトレイを持ってこっちに来た。僕を挟むように座ってるんだけど何なの?


「えーっと何か?」


 無言の圧……! な、何かなこれは。如何したら良いのかな土下座? 土下座したら良いの? でも理由が分からないんだものなぁ。そう言えば抱き合ったとかどうとか……ん?


「あー! もしかして昨日の!」


 思い出したぞ! 昨日出会ったあの顔が見えない人も鎖持ってたし犬居たし!


「今頃思い出したんだね」

「何か言う言葉があるんじゃなくて?」


「いや可笑しいでしょ! 捉えろっていうからああしただけで僕は何も悪気無いし、どっちかっていえば!」

「「何?」」


 めっちゃ凄まれた。でも僕は悪くないぞっ屈しないぞっ! ああっ視線が痛いでも負けない! ぐぐぐっ堪えろ康久! これは学級会で教材を紛失した罪を多数決で擦り付けられた時に似ているんだから謝ったらいけない! あの時だって結局吉村がその後来た新しい教材を二回も割ったのがバレて白状し僕じゃなかったのに誰も謝らなかったんだから!


……駄目だ……昔の話を思い出したのもあってか動悸が激しくなって意識が朦朧としてきた……何故謝らないのか? 謝れコールが聞こえてくるっ……!


「違うんだ先生……! 僕の話を……!」

「まぁ冗談はこれ位にしておきましょうか」


「そうねもう十分元取ったし」


 急に二人のプレッシャーから解放され、僕は床に膝と手を付いて頭を垂れた。酷過ぎる……これが冗談とか何て悪質な!


「お兄様今回はこれだけにしておきますけど、以後レディの扱いにはくれぐれも御注意くださいね?」

「そうそう」


 冗談じゃなかったんかい! そう突っ込みたかったけど飲み込んで席に着く。溜め息も抑え込み食事を始めた。わぁ美味しい味がしないや。


「一応お兄様にもご紹介しておきますけど、こちらパフィーヘルシングさん。ヴァンパイアハンターなんですって」

「どうもどうも」


 君たち空気の切り替えがとても早いのね。僕は切り替えが上手く出来なくて青空と夜空が舞台で同居してるみたいな感覚から抜け出せないんだけど。


「例の傷が塞がらない患者について、パフィーさんはヴァンパイアの仕業じゃないかって睨んでらっしゃるの」

「マダムに見せてもらったけど、噛まれた後は無かったから良いけど引っ掻かれた部分の傷痕が塞がらなかったからその可能性が高いと思うんだ。自然回復が追いつかない程の裂傷を与えられる存在なんてそう居ないから」


 取り合えず切り替えていこう。例の傷が塞がらない患者はヴァンパイアに襲われた可能性があるから彼女が来て、僕たちと鉢合わせたって話か。魔法が存在しない世界なのにヴァンパイアに竜と色々忙しいなぁ。

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― 新着の感想 ―
[一言] ラッキースケベからの理不尽な制裁。的なネタをやりたかったのでしょうが、ダークな作風だと思っていたのでやや困惑(汗) このままヌルいあるある展開になってしまうのか…。 それとも、見たこともない…
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