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異世界狩猟物語  作者: 田島久護
序章

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初めての街

 門の前に立つと塀の上に人が居たようで顔を出しこちらを覗き込むと素早く引っ込んだ後少しして門が開く。


僕と会話していた人は大分偉い人なのかもしれない。何のチェックもされずすんなり中へと入っていく。


 外とは違い中は白い建物が立ち並ぶ綺麗な町で、入り口付近では炊き出しの準備をしていたり先の方では武具を道端で売っていたりと戦が起こるような雰囲気だった。


「ドルガ様、如何でしたか?」


 目の前に足元まで隠れるような長い真っ白なローブを着て縦長のツバなし帽子を被った一団が現れる。


「どうやら竜を呼んだようだ。だが竜は去り今の所うちに飛び火するような事は無い。後ろにいる彼が唯一の生き残りだ」

「この方が……初めまして御若い方。私はランシャラ教の司教をしているサンダルと申します。以後宜しく」


 僕は降りて挨拶しようとしたがサンダルさんは笑顔で僕に掌を向け首を横に振り制止する。


「今日は夜も遅うございます。また明日にでもごゆるりとお話させて頂ければと思いますので、挨拶はその時にでも。ではドルガ様、また」

「ああ」


 一団は一礼すると彼らは周りの者たちに声を掛けながら去っていく。そしてそれが徐々に伝わり炊き出しや武具の売買は店仕舞いを始めた。


 そのまま一番奥にある屋根が鏡餅の様に角が丸く三段重なり四段目が円柱状になっている真っ白な建物の中へと入っていく。


中は風通しが良い構造になっていて観葉植物も熱帯雨林に生えているような物が綺麗に並んでいる。そして上半身は薄いブラウスに刺繍の綺麗なベストと腰からふくらはぎまでの間がふんわりしてるサルエルパンツを履いた女性たちがお出迎えしていた。


 一人の女性が歩み寄ってきて馬の手綱を受け取るとドルガさんは降りる。僕も真似して飛び降りた。


そこから階段で上の階に上がり広い煌びやかな装飾が施された間へと行く。


 豪華な宴会でも催されるのかと思ったけど広々とは使わず中央に集まって円になるように座った。僕はドルガさんに経緯を話す。ただお爺さんが死んだ話や女神様の話、そして異世界の話は除いて。


「なるほど。いやしかし君は勇気があるというか無謀というか。黒鎧の連中を相手にしただけでなく、あの竜を撃退しかけたのだからな」


 ドルガさんがそう言うと他の人たちは頷いている。というのも彼らが町を出て僕の後方に現れたのも林の向こうにある村へ例の内通者に関して詰問しようとして出向く最中だったという。


 自分たちの街にも影響があるので竜を退けたかったが先に来ていた案内役の村人達に自分たちの獲物に手を出すなと妨害されたらしい。


内通者の件はうやむやになり仕方なくその竜が居た場所に行くのを諦めて自分たちの村に帰ろうとしたところ、竜が咆哮し空を舞うと移動して村があった場所に炎を吐いたという。


彼らはその際に竜を見たら口から血と煙が漏れ各所にダメージがあるのか妙な態勢で飛び上がったのを見て実力者が居たかもしれないと残念に思いながら帰還したという話だった。


僕の話を聞いてなるほどと納得したんだそうだ。


「あの村にそんな凄いハンターが居ると聞いた覚えも無いので内心不思議に思っていたんだ。自分も見る目がないものだと落胆しかけたところだったが」


 そうおどけながら言っていた。それをみてこういう人が女性には人気があるのだろうと思ったし育ちも良いし何でも持っているのだろうと思った。


僕としてはあまり関わり合いになりたくないなと考えた。そういう人には僕のような人間は理解できないだろうし近くにいるとしんどい。


 適当な理由をつけて早めにここから居なくなろう、そしてその為には取り合えず知識だけ頂いておこうと考えた。

読んで下さって有難うございます。宜しければ感想や評価を頂ければ嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] なぜ、恩人のお爺さんについて、思い出しもしないのかな。 まだ、心情については書いてないからわからないけど。 ずいぶんと身勝手な主人公のようだ。
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