女神
「私は女神のリシルと申します。突然ですが、悠介さん。あなたを私の管理している世界で生き返らせてあげます。当然、地球とはほとんど違う世界ですがあなたの大好きなファンタジーな世界ですよ」
ファンタジーな世界?行きたい!
「え?マジで?ファンタジーな世界?魔法とか剣とかあるの?魔物とか居るの?」
グイグイくる俺に女神様が戸惑っている。
「はい、魔法や剣もあります。魔物も居ますし、ダンジョンもありますよ。さらに転移者特典としてとして、職業選択ルーレットとランダムで選んだ3つの質問に答えていただく事と、選べるスキルセットを選んで頂ければそれに応じた職業とチート特典、スキルを差し上げます。」
そんなに貰えるの?最高じゃん!
「行きます!もちろん、行かせていただきます!」
そんなにして貰えるのに生き返らない奴がいるか?いや、いない!
「わかりました。では、早速質問を決めたいと思います。こちらの箱から3枚紙を引いてください。」
俺はドキドキしながら箱に手を入れて3枚の紙を引き、リシル様に渡す。
「では、まず職業選択ルーレットです。職業は全部で12種です。頑張って狙った職業になってくださいね。」
緊張しつつルーレットを回す。ルーレットには神官や剣士、村人などがあった。とりあえず絶対村人にはなりたく無い。一番に狙っているのは魔導師だ。ここで俺の異世界ライフが全て決まる。俺は玉を投げる。ルーレットの勢いが段々弱くなり、ボールが止まる。
止まった先は村人。
「うわぁぁぁ!」
終わった。俺の異世界ライフ終わった。
地面に膝をついたその時、
「おめでとうございます!見事、魔導師ですね!」
は?いや、村人でしょ?
「いや、そういう慰めいらないから。傷つくだけだから。」
「慰めじゃないですよー!本当ですよ!顔を上げてみてみてください!」
リシルに言われて見てみると、玉が入っているのは村人の横の魔導師だった。
「はぁぁ!本当だ!ありがとうございます!リシル様!」
俺の職業は魔導師だ!最高じゃん!
「では、次に選べるスキルセットです。まず、基本セットとして鑑定と偽装、異世界語習得、アイテムバッグがつきます。また、職業が魔導師なので炎魔法、水魔法、風魔法、闇魔法、光魔法の中から2つ選べます。」
「やっぱ魔法といったら水と闇だろ!」
「わかりました。では、水魔法と闇魔法のLv10を入れておきます。最後にチート特典の方の質問です。1枚目に書かれている質問は『初めから最強装備が欲しいですか?自分でコツコツ装備を集めたいですか?』
だそうです。どうしますか?」
こんな質問悩む理由も無い。
「もちろん、最強装備に決まっている!」
「わかりました。では装備の詳細については地上で確認してください。次に2枚目。『職業に応じた才能スキルが欲しいか、職業以外の才能スキルが欲しいか』です。」
「それは職業に応じた才能を選んだ場合は、他の事は何も出来なくなるってことか?」
「いいえ。その場合職業以外の才能は地球で過ごした時のものが引き継がれます。逆に、職業以外の才能を選んだ場合は職業に応じた才能は異世界全体の平均ぐらいになります。」
これでも、飲食店でバイトした事があるんだ!料理も掃除もある程度出来るから多分大丈夫だ。
「職業に応じた才能で。」
「わかりました。では、最後の質問です。『異世界の全てを教えてくれるサポートスキルか、女神リシルと異世界転移する。』って、えぇー!私ですか?私特典なんですか!?」
えっ?マジで連れてっていいの?
「当然リシルを連れてきます!」
「本気ですか?本気なんですね?わかりました。おとなしくついていきますよぉ。じゃあ、もう転移させますよ。」
体が光に包まれると同時に眠気に襲われる。
「行きます」
遠くでそんな声がした気がした。