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主人公の旅立ち
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早朝、俺は父親が居ない事を確認してから部屋から出た、勿論…昨日から準備していた荷物も持って。
《…カチャ…ッ…》
なるべく音を立てない様に扉を開き、誰も居ない事に安堵する、そう言えば…この城には俺と父親以外居ないらしい、母親はどうしたのかと聞くと複雑な表情で「遠い…とても遠い所へ行ったのだ…」と、言われたので恐らく死んだのだろう、だから警戒する意味も余り無いのだが、気分の問題なのだ。
しばらくすると小さな扉を見つけた、ここから外へ出れる筈だ、俺はもう一回だけ周りを見回して、やはり誰も居ない事に安堵し、外へと続く小さな扉を開いた。
「…行って来ます。」
そう、小さく呟きながら。
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主人公、千代原 咲夜
今回、旅に出る事になった主人公、残された父親が変な事をしないか若干心配している。