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8話 てめーらっ! こんな漫画みたいな世界信じるなよ☆

 翌朝、昨日渡された面接内容の紙を見た。昨日は缶ビールをダース単位で買って、イザナギ先輩達の部屋におしかけたら一晩は泊めてくれた。夕食時に一緒に話す機会ができ、今まで何をしていたか、どんなやばい仕事をしたのか、というふたつの話題で大半は盛り上がった。終わりに、アーペンサーが帰ってきたなんて後から騒がれていたらしい。期待されているのはあまり好きではなかったが、やる時はやる女じゃないといけないとと思っていた。


「面接終わったら、書類のクリップ買ってきて」


 とイザナミ先輩に言われた。事務局長のことだから面接は一日やそこらで終わるものじゃないと思いますよ、なんて生意気言ってみたがそうでもなかった。下手したら数時間はかかるだろが、数十分で終わりそうだ。


「大人用の男の下着万引きしてこいって……。

 局長買い物し忘れただけじゃねーのかよ」


 大人用の男の下着を万引きする意味がよくわからない。影を薄くして物音たてずに極自然に鞄にすうと入れれば万引き成功じゃないか。あ、いやでも警察なんぞにみつかったら数時間はかかるし、女が男のパンツ盗むっていかれてるとか思うんじゃないのか……? 心がぼろぼろになる、失敗したら。心に氷がぴたりとあてられたようだ。


「いらっしゃいませ」


 ピポピポピポン♪


 入ったと同時に陽気なメロディーが流れ出したりする所。そうコンビニに入った。近頃のコンビニマートは下着が売ってたり売っていなかったりするんじゃないか? だが、そう考えるのは間違いだ。警備が半端ないコンビニで万引きするって絶対捕まるじゃん!! この面接で落ちたら皆の期待がガタンと落ちてKYベリーとか言われ続けるに違いない。ここはやるべき所ではない。

 蛍光灯がぎらぎらと私を照らしている。手には819郁の男のパンツ。一瞬はっとした。棚に手をかけているようには店員には見えるらしいが、窓とか正面からみたらこれは変態ではないか……! これがあの抹殺系女子アーペンサーがやっていることなのか? 出よう。出よう。もっと人の目がつかない所でするべきだぁぁっ!


「ありがとうございましたー」


 猛ダッシュでコンビニを出た。店員のあたたかい声が心に全然入ってこないくらい、焦っていた。とりあえず、街路樹がなくなる所まで走ろうと思った。驚くことに自転車より速く走っていた。赤信号もぎりぎりがつかない程に間に合った。人気はあまりないので、ぶつかることもない。たくさんの店を通り過ぎた。八百屋、花屋、古本屋、コットウヒンヤ、駄菓子屋。そして、都会っぽくなってガソリンスタンドが現れた。とりあえず、そのガソリンスタンドの壁の裏にでも隠れて息をおちつかせようと、立ち止まった。


「うぎゃああああっ」


 内心、そう叫んだ。さっきまでパンツをひとつつかんでいたハズなのにふたつも真っ白の男のしかも大人用のパンツをつかんでいたのだった。あの監視カメラは回っていなかったのか? あの出入り口の大きなセンサーは故障していたのか? それとも見かけだけで、コンセント入ってなかったとか……。


「なんっじゃそりゃ……」


 帰りはエリカの真っ黒で柄の悪いバイクに乗って帰った。途中ででくわしたのだ。所々、骸骨のシールがぺたぺたはってあった。しかも、ナンバープレートの数字が全部7で、記号が黒いハートだった。こんなバイクに乗って帰るのは少々恥ずかしい。それとコットウヒンヤでたぬきの置物(30cm)を買い、荷台にのせていた。どんな趣味をしているのか全くわからない。しかも、今日はドクアリではなくロリータファッションであった。


「帰りに文房具屋よって」

「私は今風になってるの。そう、貴方もね」

「あ、うん……。風になってやるから

 文房具屋ちらっとよって。エリカちゃん、いい子だから」

「ブリーフ持ってる女に命令されたくねぇやいっ」

「てめっ! 可愛い顔して性格ちょー悪いじゃんっ」


 彼女はヘルメットをとって、脚でバイクをがっちりとはさみこみ両手でエリカのヘルメットをかちわった。がんがんがんと音がしたが、彼女はそれをものともせずに「ふりおとしたろかぁっ」と大声で言い放ち、バイクをとんでもない角度で運転しはじめていた。さすがにベリーもこんな体験はなかったので少々焦ってごめんごめんと謝り始めた。背筋がぞくりとした。ブリーフをたぬきの間にでもはさんでおいたらもう少し体のバランスがとれて、彼女をこらしめることができたのかもしれない。


「おかえりー。どうだった。パンツ」

「無防備のコンビニでとってきた」

「おつかいご苦労!」

「後さ、イザナミ先輩のクリップ買ってきた。

 これ領収書。140郁返せ、こら」

「面接のさぁ」

「は?」

「クダン、あれなしにしてやってもいいんだけど」

「じゃあ5割まけとくからさ、金返せ」

「8割まけて」

「6割!」

「……30銭返してやるよぉ」

「単位ちげーじゃんっ!!」

レベル下げて書くとこうなるww

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