7話 蜘蛛の巣にひかかるようじゃあ駄目だぜ
・1869年
・草原の女の子
彼女はしばらくジュードの都といわれる街で身を置かせていた。青空と花がよく似合う街で、それなりに人もよく彼女も冒険なんかせずにここにいたらどうなんだろうかと思うようになっていった。ここはパンがおいしいし、手作りのオレンジジュースもあることだし、ここで一生を終わらしてもいいだろうと思っていた。
それに、前よりはるかに収入があった。街の人に声をかけると、郵便配達や掃除や子守なんかの誰でもできそうな仕事をみつけてきてくれてチップもはずんでくれた。欲しいものはすぐ買えた。羊の毛でできたセーターにおさがりだがそれなりの生地が使われたデニムもすぐに手に入った。寝る所はそこら中にいる優しい夫婦や爺、婆、この街の教徒さんが寝る所をみつけてきてくれるのだ。――満足した生活に見えた。
「ベリー。おい、これ」
ある日、それは旅へ行きたいと再び願う“起”が芽生えた。お得意さんが見せてくれた新聞にアルフレッドが1ページを埋めるかのように載っていたのだ。知っている顔がこんなにデカデカと!! しかも、白黒ページが色がついているように見えた。ここではカラー印刷が発達していないため白黒だったが、肌の色に瞳の色まではっきりカラーに再現できるような気がした。あんなに間近で見たのだから。しかも、泥棒と知らずに家にやすやすと泊めてしまった。後からどれだけ近所の住民にののしられたことか? 乱行に及んだことか……? こんな思い出が消えるはずもなく。
<The reason from which he became a thief >
彼女は全ての記事に目を通した。今度は人さらいとのことで、北洋の街にある都・サムデイの年頃の女をかっさらっていったらしい。30人程と書かれているが、目的は“血”であろう。女と男の血100人分で鏡の世界にいける方法がある。魔法の力がなくても――。
「アイツ、止めねーと……っ!!」
彼女の心の何かが爆発した。深奥で何かがざわめきはじめてしまった。
セリフを最後に切るっつーのあまりよくないし、
嫌いなんだけど描写書くと切れ味が、ねwwwww
だから、あぁかいたの。






