わかんないもんばっかですから。
「ごちそうさま。」
僕がそう言うと、朝奈さんは残りのココアを飲みきった。
「ごちそうさまぁ!あ、そういえば自己紹介がまだだったね。私、朝奈真美。」
「夜野真です。よろしく。」
「よろしくね!夜野くん!」
そして僕達は、一緒に帰った。ただの世間話をしながら。
「夜野くんってどこ中なの?」
「登校中。」
「へぇ〜。登校中何だー。じゃあ思ったよりも近いね!私は下校中なんだ。」
「確かに近いですね。案外、家も近かったり?」
「流石にそんなことあるかな?」
「世の中わかんないもんばっかですから。」
「ふふっ。そうかもね。」
そんな会話を続けていたら、いつの間にか家に近づいていた。
「朝奈さん。僕の家あっちだから。」
すると朝奈さんは数秒こちらを見つめてくる。
「私もそっち!」
え…マジか。
「「はははははははっ!」」
二人で声を合わせ笑った。その後は本当にあっという間だった。
「ここ僕の家だから、ここで。あっ帰り一人で大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ!私、自転車だし!」
「確かにそうでしたね。」
「そそ!じゃあ、夜野くん今日はありがとう!またね!」
「え、あ…はい!また!」
そうして手を振ったできるだけ長く、朝奈さんが見えなくなるくらいまで。
この後、お母さんにこっぴどく叱られた。まぁそりゃあそうか。でも、さすがに聞く耳くらい持ってほしいと思った。今夜この頃で、あった。




