知ってる人がいないのは最初からでしょ。
ドンッと大きな銃声が沈黙を破る。
叫ぶ者、声が出ない程の恐怖を感じる者、逃げようとする者。
十二月のとある日曜日にて受験生らに恐怖を植え付けた。
「マジかよ…。」僕は声を抑えながらも、つい言ってしまった。
遡ること約二時間前…。僕は模試の会場である阿蘇湖荷高校に向かっていた。
駅の改札口から出てと五分程度で着く、とても近い高校だったためすぐに見えてきた。
「あ!真さんじゃあないっすか〜。」
「誰かと思えばお前かよ。」
「お前に話しかけるのがこの月山陽向以外にいると思っているのかい?」またうざいことを言って…。
「お前以外にも話せる人はいるからお前がお節介する必要なんてねぇよ。」僕はそっけなく返事をする。
「もぉ〜照れちゃってぇ〜。」陽向は僕の頬をつんつんとつついてくる。
そのため僕は「やめろよ。」と陽向の手をどける。すると今度は肩を組み始めた。
「なぁ、真〜。今回の模試はどうだ?」
「まだやってないだろ。でもいつも通りなんじゃない?」
「平然と全部九十点宣言すんなや。」陽向は空いてる方の手で頭に軽くチョップを入れてきた。
「そういう陽向はどうなんだよ。勉強してんの?」冗談混じりに僕は聞いた。
「え…う、うん。べンキョウシテルヨ。」
あ…これしてないやつだ。
「マジでちゃんとやったほうがいいよ。あと二ヶ月だから頑張れよ。」
「はい…。」悔しいのか悲しいのかみたいな謎の表情で陽向は言った。
そんな事を言ってる間に、昇降口までやって来ていた。
「おはようございます。」
「おはようございます。」運営の人に挨拶し返し、教室が書いてある紙を受け取る。
「真はどこ?」
「えーっと…。四番教室だ。陽向は?」
「えー。俺、九番なんだけど…。めっちゃ遠いじゃん…。」陽向は残念そうな顔をする。
「というか、階も違うじゃん。」
「あ…。終わったぁぁぁぁ。」
「はいはい。頑張ろうなー。僕この階だから。」陽向の叫びを無視し自分の教室へと向かった。
「えっと…。席は…あ、窓側だー。ラッキー。」窓側だとなんだかラッキーだと感じてしまう。そう思いながら、僕はスマホを触る。
『真ー。知ってる人がいない…。』スマホを見ていると陽向から連絡が来た
『安心しな。僕もいない。』とメッセージを送る。
『真に知ってる人がいないのは最初からでしょ。』と当然のような物言いな返信が来たため既読スルーをかます。マジで覚えとけよ…。
また陽向からメッセージが届いたかと思ったら、今度は朝奈さんからだった。
『夜野君は今日の模試受けるの?』
『はい。』僕はすぐに返信をする。
『もしかして阿蘇湖荷高校?』
『朝奈さんも阿蘇湖荷なんですか?』
『そそ。おんなじ会場なんだねー。』
会わなかったなと思いつつも僕は返事をする
『頑張れましょう!』とメッセージを送ったところ可愛い猫のスタンプが送られてきた。そこには全力!と書いてあった。こんなスタンプ使うんだ…。
「では、説明を始めます。」そんな事を思っていると、時間になり試験官がしゃべり始めた。説明を聞く必要などないかと思い、完全に僕はスルーする。というか毎回思うんだが、スマホの電源を確かめさせてからの受験番号の確認って絶対逆だろ。
「では、問題用紙を配ります。」
午前九時
試験官は問題用紙を配り始めた。
午前九時五十分過ぎ
多くの車からたくさんの人が出てきたため開け締めの音が大きく鳴る。
「お前ら準備はいいか。」屈強な男達は銃やナイフ爆弾を装備していく。
「銃やナイフはまだ隠しておけよ!」リーダーだと思われる男が指示を出していく。
そして、男達は阿蘇湖荷高校へと向かって行くのであった。
午前九時五十分
「試験終了です。解答をやめてください。」
一時間目の試験が終わり解答用紙が集められていく。試験官は集め終わったあと慣れた手つきで枚数を数えていく。
「枚数を数え終えました。今から休憩といたしますので五分後にはご客席ください。」
九時五十五分
一人の受験生は急いでトイレを終わらせようとしていた。
「ヤバイな…。他の人待たせちゃってる…。というか今回の人集めるのも、数えるのも下手すぎでしょ…。」少年は急いでトイレから出る。そして、少年のすぐ近くでカチャと銃を向けられた音がした。
「ん?」少年は振り向いた。少年に銃口が向けられていた。
「え?」困惑した少年は叫ぼうとするが無駄だった。
「叫んだら殺すぞ。」
午前十時 謎の武装集団による目的不明の立てこもり事件、発生。
本当の十二月編が始まります。
一時間目、国語
二時間目、英語
三時間目、数学
四時間目、理科
五時間目、社会




